夜中まで、僕は図書室で仮面について研究を行っていた。
実は考古学の分野に進んだのも、この石の仮面がきっかけだったりする。
レターナイフをとり、右手の中指の先に軽く付きつけると、プツッと皮が切れ赤い血が少しだけ出てくる。
その血が石仮面におちると、石仮面は勝手に震えだし、骨針が仮面の縁から伸び、机から飛びあがった。


ジョナサン「フ・・・ディオが言ってたな。「考古学が金になるのかい?」って・・・。
彼らしい言葉だ!しかも、的を射ている!」


だが僕は魅力を感じてきたッ!
この仮面は血だけに反応し、精巧な仕掛けで作動する・・・僕と晃だけが知る秘密!
この仮面を造った者は、一体何を目的として製作したのだろう?
そして何よりも、覚えていない亡き母が旅行中に買ったという、思慕の情もあるし、
この仮面の事件から、晃と僕の距離は縮まった事がある。

今となっては、それすらもいい思い出になってしまったが・・・。
いつかこの仮面を解いて発表し、センセーションを巻き起こせればいいな。


ジョナサン「あ!しまったぁ」


最上段の本を取ろうとした時に本棚を揺らしてしまい、上に置いてあった木箱を落としてしまった。
急いで脚立から降りて中身を確認するが、どうやら古い本ばかりで、見たこともないが、きっと父さんのものだろう。
とくに壊れるようなものは入っていなかった。


ジョナサン「ホッ。高価な物でなくて良かった」


中身を戻そうと手に取ると、落ちて開いている父の本の間に古い手紙が挟まれていた。


ジョナサン「ダリオ・・・ブランドー。ダリオ・ブランドーッ!?だってッ!?
ディオのお父さんの名だッ!ディオのお父さんが僕のお父さんに宛てた手紙!七年前だ!
へーーっ。こんなとこに紛れてたのか。
そういや、ディオの父さんは、死を覚悟してこの手紙をくれたんだったな」


死の直前というのは、どんな文章を書くのだろう。
読みたい・・・。
七年前のだ。
読んでも構わんだろう・・・。

昔の記憶だが、たしかディオと、晃の事も書かれていると、父さんが言っていた事を思い出しながら、僕は手紙を開いた。

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