ディオ兄さんの体にジョナ兄さんの波紋の拳が突き抜ける。

僕は酷いな・・・。さっきまで、僕もゾンビに波紋を流してたじゃないか。
消滅するのも待たずに、次々と。同じ事をしてたじゃないか。

その時は仕方のない事だと思っていたのに。
なのにそれを僕の大事な人たちがやって・・・

痛い・・・痛いよ・・・。心臓が砕け散るように痛い・・・。


トンぺティ「むむっこの生命体はいったい」
スト「そこのおまえっ新手のゾンビかっ!!」


見た事のない人が沢山いるのに、僕の目には二人しか映らなかった。


ポコ「晃・・・にいちゃん・・・?」


怯えた様なポコ君の言葉も、苦手なゾンビの唸り声も聞こえなかった。


ジョナサン「散滅すべし、ディオ!」


ほとんど猫化していて、どんなもの音も聞こえるはずなのにジョナ兄さんの声しか聞こえなかった。

悪は消滅するべき。
僕だって師匠に聞いたんだ。石仮面、吸血鬼、ゾンビ。
僕だって無くなればいいと思う。

だけど・・・その人は、その悪は・・・

僕の大切な兄なんだ。


ジョナサン「まさかっ!晃っ!!」
SW「何故だっ!何故ディオの元に行くんだッ!!」


立ちふさがった誰かを飛び越えて、ジョナ兄さんの横を通り抜ける。
よかった、ジョナ兄さん、怪我はしているが、まだ死んでいなかった。
待ってて、今助けるから。

二人とも助けるから。

僕は波紋に光で体が溶け始めながら落ちて行くディオ兄さんの元へと飛びあがった。


ディオ「このディオがッ!!」


波紋を込めて力いっぱい壁を蹴ってディオ兄さんへと腕を伸ばす。
獣のような腕が見え、そのままディオ兄さんの体を抱きしめる。
そのとき、何やら後ろの建物が崩れ始めたようだが、それよりも腕の中で蒸発するように溶けて消えていくディオ兄さんの体を見る。

どうしよう、僕の力では、波紋では、ディオ兄さんを傷付けることしかできない。


ディオ「晃っなぜっ」


ディオ兄さんを、ジョナ兄さんを守ろうと身に付けたはずの僕の力は
消えていく目の前の大切な人を、ただただ見ていることしかできない。


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