気が付いたらベッドの上です。何回目でしょうかこれ。あれ、今度こそ死んだ!?天国!?転生した!?

どこだここ・・・?
そうだ、あのあと地面にぶつかる前に意識が飛んで真っ暗に・・・
いや、その前に目の前が真っ暗になったような気もする。

満月の明かりがあったのに。

その時、あの日銃を食らった時のようになにか文様が見えた様な・・・。

しかし、ということは、今僕は回復できていないから猫なのでしょうか。


『(そうだ、僕が無事ならディオ兄さんもきっと)』


骨がきしみながらも、ベッドから包帯まみれの体を上半身だけゆっくり起こす。
僕のお腹の横で、ジョナ兄さんとエリナさんが隣り合って突っ伏して寝ていた。
二人とも目の下にクマがある。それに髪も汚れている。
というか、僕人間の姿だ。頭を触っても耳も無いし、体の大きさもちゃんともとに戻ってる。


ジョナサン「ん・・・」

『ジョナ兄さん?』

ジョナサン「晃っ!よかッ、生きッ!!」


ジョナ兄さんが急に僕に抱きつくものだから、腰が痛い。
痛さに声にならない悲鳴をあげていると、エリナちゃんも異変に気付いたのかすぐに起きた。
良かったよかったと二人が騒いでいると、ワゴンさんも部屋に突入して着てもうすいませんが、うるさいです。

少しずつ頭が冷静になってきた。ずっと同じ姿勢で寝ていた時みたいに体の関節が痛い。
おかしい、それ以外は痛くない。波紋で回復したのか?
しかし、それならなんで元の姿に・・・。
お腹も減ってないのにどこからそんなエネルギーが・・・。
エリナちゃんがお医者様を呼びに部屋を出て、ワゴンさんも皆を呼びに行ったところで気になっていた事を聞く。


『(まぁいっか)ジョナ兄さん』

ジョナサン「ん?なんだい?」

『ディオ兄さんは?どこにいるの?』


いくら天然とか鈍感とかと、KYだと遠まわしに言われ続けたぼくでも場の空気が一気に凍りついたのはわかる。


ジョナサン「ディオは・・・晃・・・僕がッ
『・・・ごめんね』
晃ッ・・・僕はッ」


言葉の続きを言わせないために僕はジョナ兄さんの首に抱きついた。
そんな僕をジョナ兄さんは力強く抱きしめ返してくれた。

結局僕は、二人とも救えなかった。
ディオ兄さんも、ジョナ兄さんも。

ディオ兄さんは姿を消し、ジョナ兄さんには、大きな傷を負わせてしまった。


僕らはそれ以上言葉を発する事が出来なかった。


前へ | 次へ 1/5ページ

総合ページ 143/183ページ

↓URLリンク修正すること[戻る] [HOME]