棺桶
ワンチェン「ディオ様・・・奴をおびき出して連れてまいりました」
ディオ「ボディ・・・来たか・・・」
ジョナサン「ディ・・・ディオ!」
ワンチェンがわざと姿を現わせば、ジョジョを思惑どおりにこの船蔵へとおびきだした。
俺は首だけになった姿を、ガラスのケースの中、人の手を借りねば動けぬ姿をジョジョの目の前にさらした。
ディオ「ジョジョォ・・・見ろよ・・・このディオのなさけなき姿を!
あえて・・・あえてこの姿をお前の前にさらそう」
ジョナサン「ディ、ディオ」
ディオ「なぜこんな姿をあえて見せるのか・・・。
それはジョジョ、あれほど侮っていたお前を今、俺は尊敬しているからだ・・・。
勇気を!お前の魂を!力を!尊敬している・・・それに気付いたからだ・・・」
この言葉にはもう嘘偽りはない。
晃以外に、ジョジョ・・・晃以外にこの俺と同等だと思えるものは、過去も未来もお前しかいないのだろう。
ディオ「ジョジョ、お前がいなかったらこのディオに仮面の力は手に入らなかっただろう・・・。
しかし、お前がいたから未だ世界は俺の物になっていない。
晃がいたから俺は生きのび吸血鬼となり、晃がいたからお前も今ここで生き、波紋戦士の道を選んだ。
晃がいたから俺達は同じ道を歩み、晃がいたから俺達の道は二つに分かれた・・・。
神がいるとして、運命を操作しているとしたら!
俺たちほどよく計算された関係はあるまいッ!
俺達は、この世において二人で一人、唯一晃の加護を受けうるもの!
つまり・・・俺はこの世でただ一人尊敬する人間のボディ(肉体)を手に入れ、晃との絢爛たる永遠を生きる!
それがこのディオの運命なのだ!苦痛は与えん!それが我がライバルへの最後の礼儀!」
ディオ「我が肉体となって生きよ!ジョジョーー!!」
俺は晃の血で回復した体で、ジョジョへと己の体液を噴出する。
目が覚めてジョジョも助かったと知った時に気付いた。
あの時、晃は俺だけではなくジョジョも助けたのだ。
昔、晃を守るために強くならねばと思う反面、晃に庇って貰えるジョジョが羨ましくもあった。
見てきた、だからわかる、恨めしくて気付かないふりをしていただけだ。
晃は、ジョジョを助けたがっている。
だが、あの時、身を呈して命を救われた俺は、もうすでに何度も晃に助けられている事を自覚した。
心の奥底で、お互い晃をよりどころとして、守っているはずの晃に守られていた。
嫉妬していた「守られる」ことを、俺はもうすでに・・・。
晃の愛はこの二人にのみ平等であるが故、いつまでも決着がつかずズルズルと二人生き延びているのだろう。
お互いにもっと欲しいと、渇望している晃からの愛を、
お互いが受けているのだとわかってしまったのだから。
もうお互い、ぬるま湯に浸かっているのはよそう・・・
ディオ「フー・・・(いくら晃の血で回復したとはいえ、これ以上攻撃は難しいか)
何と言う事だ、なまじ避けなければ眉間を撃ち抜き・・・苦しみを与えずに即死させたものを・・・」
エリナ「!!」
あいつは・・・。
邪魔な女だ・・・。だがどうする事も出来まい。
晃のように、波紋を使うことも猫になって襲うことも吸血鬼の力でゾンビを従える事も出来ぬ飾りだけの女が。
ディオ「日常から一気に魔界へ・・・という事態が起こっているのが把握できず声も出ない・・・か。
ジョジョは語らなかったのか?暗黒に生きるこの俺と晃の神話を!
今はなさけない姿だがこの俺に見覚えがあるだろう・・・エリナ・ペンドルトン。
いや、結婚したそうだからミセス・エリナ・ジョースターかな・・・」
エリナ「ディオ!」
「ぎゃああ!た・・・助けてくれーッ!」
「船中が化け物だらけだァー!!」
さぁ、晃はジョジョを助けにはもう来ない。
ここで終わりにし、そして新たに始めようではないか!
俺たちの新しい世界を!!