ディオ「日常から一気に魔界へ・・・という事態が起こっているのが把握できず声も出ない・・・か。
ジョジョは語らなかったのか?暗黒に生きるこの俺と晃の神話を!
今はなさけない姿だがこの俺に見覚えがあるだろう・・・エリナ・ペンドルトン。
いや、結婚したそうだからミセス・エリナ・ジョースターかな・・・」

エリナ「ディオ!」

「ぎゃああ!た・・・助けてくれーッ!」
「船中が化け物だらけだァー!!」

「OHHHH!OHHHHHH!」

「きゃぁあああっ!!」
スティクス「危ないっ!!」


ゾンビたちの声と乗客の悲鳴が聞こえるっ、まさか、この船全体にゾンビが!?
ゾンビに襲われそうになった夫人を、神父が庇い、背中に斧を突き刺されても女性を抱えて階段から転げ落ちた。
エリナが駆け寄るも、出血の量から見るに神父はすでに死んでいる。
そして女性も気を失ったままだったが、そこから赤子の泣き声が聞こえた。


エリナ「い・・・いったい・・・!?」

ワンチェン「ご命令通りわたくしが一人の血を吸いましたので、すでに船内はほとんど我が同胞に変わってまさぁ!
ヒャヒヒ、そしてこのままアメリカに行くのですねディオ様・・・」

ジョナサン「(声が出ない・・・声が出せないぞ・・・。いやそれより、息が出来ないんだ。
「呼吸」が・・・エリナ・・・ああエリナ・・・君だけは)」


ゾンビからエリナを、手を伸ばすもその手をワンチェンに柱まで蹴り飛ばされ、手をつぶされる。
くそ、呼吸が出来ないから波紋が・・・練れない。
出血のせいで体も上手く動かせない、このままでは意識もっ・・・。
晃、せめてこの騒ぎに気付いて避難して・・・いや、彼の事だ、必ず僕らの元に駆けつけてくる。


ワンチェン「KAHH!ディオ様みてくだせえ!このくそったれ野郎・・・呼吸が出来ませんぜ!
つまり波紋法とやらは使えんわけだァー。
こいつには恨みがある!なぶってやりやしょうかね・・・それともあと数分でしょうが窒息死するのを楽しみますかね?」

ディオ「おいワンチェン・ジョジョへの侮辱はゆるさんぞ!
彼はこのディオをこんな姿まで追い込んだ人間・・・。
尊敬の念をもって苦しみを与えずすみやかにヤツの首を切断しろ!」

エリナ「ジョナサン!」

ジョナサン「(せめて、晃が来る前に・・・どうにかしなくてはっ
彼に、彼にこれ以上の負担をかけさせてはっ!!)」

ディオ「ぬ・・・妙な動きに気をつけろ!いったん退け!・・・こいつは、最後の最後に何かやるのかもしれぬ!」

ワンチェン「テメーッ脳ミソを指ですくい取ってくれるッ!このウスノロめ!」

ジョナサン「(エリナ・・・だけは、守ってくれ晃!
・・・体内に残されたかすかな最後の波紋・・・全てを一気に放出する。かすかでいい!)」




僕のたくらみに気付いたのかディオはワンチェンを下がらせるよう言ったが、ワンチェンはかまわず僕に飛びかかり、その鋭い爪を振りかぶる。
『僕の波紋ね、力がないけど、一点集中することで威力が増すんだ。だからいつも足先に込めて。一撃で終えれるように』
晃の言葉を思い出す、微かな波紋を体の中で練って指先に集中する。


ジョナサン「(指先に溜めて、この一撃でっ)」

ディオ「なっやばいワンチェン!」


微かな波紋は、ワンチェンの頭をふっとばすほどの威力となった。
と、同時に、僕の体から全ての力が無くなった。


ジョナサン「!(き・・・切れた。僕の体の中でなにかが切れた・・・。決定的ななにかが・・・)」

ディオ「ま・・・まずい!」

ジョナサン「(こ・・・これが・・・これが僕の「生命」・・・。生命最後の波紋だ・・・。
よ・・・弱くってこのゾンビを完全に破壊できないが・・・これで十分だ)」
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