近くで爆発が起き、炎に巻き込まれるとみを丸めた瞬間、何かに守られているかのように、
いえ、あの子が炎を呑み込んでいるかのように、何かに吸い込まれるように、その衝撃は私たちを襲う事はなく・・・。
そして今度は少年ではなく、青年、しかも私たちよりも年上のような、獣と人の間のような姿に変わった。

青年は目の前の炎の壁をその鋭い爪で切り裂くようなスピードで突き進むと、男性ながらもジョジョよりもその細い腕のどこにそんな力があるのか、ジョナサンの体を片腕で運び、後ろの棺に投げ捨てた。
そして、外れていたそこ板のようなものを入れると、今度は私の体と女性の体をそっと持ち上げ、その毛深い獣の腕と爪からは想像できないほど優しく棺の中に下ろされた。

抵抗する気など起きないほどに、ただ驚いていただけなのか、それとも安心していたのか。その人が蓋に手をかけた時、赤と青の目を見た時、私は気がついたようにその名前を叫んだ。


エリナ「晃っ!」


大きな牙の生えた口と、獅子のように鋭い目が・・・彼の目が、優しく笑った。


エリナ「そんな、晃、いやっ晃!
開けて晃!晃!!いやぁ!開けてっ!いやぁああああああ!!」


鍵をかけられたわけでもないのに、中から蓋をたたいてもびくともしない。
閉まると鍵が閉まるの!?でも開けても開けても外から押さえつけられてっ
そのたび鍵がっあああっ

晃、そんなっ
彼は晃なのだわっ
嫌よっ、あなたまで失うなんてっ晃っ

お願い・・・あけて・・・
貴方だったのね、あの日の事も、今日の事もっ、全部貴方がっ

猫に戻って・・・晃・・・助かるかもしれないのにっ

あなたとまた・・・アリスのようにお茶会をしたかったのに・・・


遠くで大きな爆音が響いた。
体を衝撃が襲う。
泣き叫ぶ赤子と、せめて女性の頭だけでも守れるように二人を抱え、体を丸くする。

何回も回転し、体中ぶつけながらも、その衝撃から守るように
彼のために用意されたのであろうクッションが、彼の代わりに彼のように、私たちを守ってくれた。



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