SW「ジョースターさん、さっきから大事にそのハンカチを持っているが・・・。
何か大切なものなんで?」

ジョナサン「これは、僕の弟のものでね。とは言っても僕ともディオとも血は繋がっていないのだけれど。
一年ぐらい前から・・・行方不明なんだ」

SW「ま、まさか、弟さんもディオって輩に!?」

ジョナサン「いや、ディオは晃の事を大切に思っていたはずだ・・・。
晃には手出しはしないはず」


東洋の薬・・・東洋人。
行方の知れない晃。
晃は・・・顔のつくりがおそらく東洋人のものだった。

心に浮き出てくるもしかしたらという疑心がずっと頭から離れられない。
もし、あの僕に向けた安心し来た笑顔が偽物だったら・・・。
有り得ない事だからこそ、一度浮かんだ考えは、今にも僕の心を折ってしまいそうだった。

ロンドンの食屍鬼街から薬を売っていた東洋人を連れ、屋敷に帰ってきて全てを父に話した。
僕は執事を全員下がらせ、スピードワゴンの言う通りに準備し、ディオの帰りを待っていた。


ディオ「・・・どうした執事!!なぜ明かりを消している!」


扉があき、同時にディオの声がロビーに響き渡る。
手に持っている燭台に明かりをともすと、ディオは驚いたようにこちらを振り向いた。


ディオ「ジョジョ!!」

ジョナサン「とうとう掴んだぞディオ、君の悪魔のような陰謀の証拠を!」

ディオ「帰ってたのか、ロンドンから
(俺は今、追い詰められている!だが、逃げはしない!俺はジョジョと戦うために戻ってきたっ!)」

『悪魔?』

ジョナサン「!!!!君はっ晃っ!?」

『ただいま、ジョナ兄さん。長い間連絡が取れなくてすいませんでした』

ジョナサン「あぁっ本当に晃なんだね!よかったっ!父さんも喜ぶ!」


嬉しさのあまり、目の前の晃を思いっきり僕の両腕で抱きしめた。
生きていてくれた!!それだけで嬉しかった。
今まであった疑心なんか吹っ飛ぶぐらいに僕は嬉しかった。

だが、今は何ともタイミングが悪い。
僕は今、ディオを・・・父親を毒殺しようとしたと警察に突き出すつもりでいたのだ。

晃は、この事を知らない。

ずっと、僕ら三人が仲良しでいるのだと信じて疑ってないことが、僕の背中にまわされた強く服をつかんでいる細い腕と、ずっと僕の名を呼んで顔を胸に押し付けて僕らにしか見せない甘えている姿の晃から伝わってくるっ。
僕は、晃からもう一人の最愛の兄を奪おうとしているのだ。
僕は、心が張り裂けそうになるのを隠し、晃を自分からゆっくりと離した。


ジョナサン「晃、父さんもずっと心配していたんだ。部屋にいるから、早く顔を見せに行ってあげてくれないか?」

『うん、兄さん達は?』

ジョナサン「僕らは・・・少し二人で話したい事があるんだ」

ディオ「・・・」

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