ジョナサン「解毒剤は手に入れたよ。さっき解毒剤を父さんに飲ませた・・・。
ディオ、僕は気が重い。
兄弟同然に育った君を、やっと晃と再会できた君を・・・これから警察に突き出すことになるなんて。
残念だよ・・・ディオ。
分かってもらえないかもしれないけど・・・これは本心だ」

ディオ「その気持ち、君らしい優しさだ。
ジョジョ・・・勝手だけど頼みがある。最後の頼みなんだ」

ジョナサン「?(いったい何を・・・)」

ディオ「僕に時間をくれないか?警察に自首する時間を!」

ジョナサン「え?!(い、意外、てっきり追い詰められた野獣のごとく反撃に出ると警戒していたが)」

ディオ「(ジョジョォ無事にあの貧民街から戻るとはっ。もうやるしかないっ。油断させて一気にナイフでぶっ殺してやるっ)
僕は人生を悔いているんだ!今までの人生を!貧しい環境に生まれ育ったんで、くだらん野心を持ってしまったんだ!
馬鹿なことをしでかしたよ、育ててもらった恩人に毒を持って財産を奪おうなんて!
その証に自首する為に戻って来たんだよ、逃亡しようと思えば外国でもどこへでもいけたはずなのに!」

ジョナサン「た・・・たしかに(涙・・・)」

ディオ「罪の償いをしたいんだ!」

ジョナサン「ディオ・・・(自首なら、殺人未遂だから釈放も早い。その方が晃も・・・)」

SW「ジョースターさん、気を付けろ!信じるなよ、そいつの言葉を!」

ディオ「ヌムッ(くそ、もう少しでこのナイフを)」


名に打を流しているディオに、同情と希望と罪悪感を感じ近づこうとしていた僕を声の主が引きとめた。


SW「「誰だ?」って聞きたそうな顔してたんで自己紹介させてもらうがよ、俺ぁおせっかい焼きのスピードワゴン!!
ロンドンの貧民街からジョースターさんが心配なんでくっついてきた!
ジョースターさん、甘ちゃんのあんたが好きなんで一つ教えてやるぜ。
俺ぁ産まれてからずっと暗黒街で生き、色んな悪党を見てきた。
だから悪い人間と良い人間の区別はニオイでわかる!
こいつはくせぇー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜぇー!!」

『Σ!!!』

ジョナサン「(晃っ何故ここに戻って!?)」


そう言いながらスピードワゴンは僕が机の上に置いた燭台をディオへと蹴りとばし、ディオは見切ったように首だけを動かしてその燭台を避けた。
背後で扉が開く音が聞こえてそこを見ると、扉を開けた晃が衝撃を受けた様な顔をしてスピードワゴンを見ていた。


SW「こんな悪には出会ったことがねぇほどなぁー!!!環境で悪人になっただと?
違うね!コイツは生まれついての悪だ!!早えとこ警察に突き出しちまいな!!!」


晃に気付かないままスピードワゴンが、僕らが連れてきた東洋人をディオの前に突き出したとき、晃は現状がわかっていないのか混乱したまま扉の前で立ちつくしていた。
ほっとしたのが、ここで晃がこの東洋人を知らないと言う事が彼の表情からわかった事だ。


SP「この人の顔に見覚えが、あるだろう!」

ディオ「っ・・・!!」

ジョナサン「ディオ、この東洋人が君に毒薬を売った証言は取ってある」

ジョージ「ディオ、話は全て聞いたよ・・・」


部屋の奥のカーテンが開くと、僕が呼んだ警察官たちと、杖をついた父の姿があった。

前へ | 次へ 2/3ページ

総合ページ 31/183ページ

↓URLリンク修正すること[戻る] [HOME]