ジョージ「残念でならない・・・。君には息子と同じくらいの愛情と期待を込めたつもりだったが・・・」

ジョナサン「父さん、まだ安静にしていないとっ」

ジョージ「寝室へ行って休むよ・・・。息子が捕まるのを見たくは無い・・・。
晃も、来てくれ・・・こんな事になってしまったが、私は君が帰ってきてくれたことが、とても嬉しい」

『・・・』


父さんがディオに背を抜けてこの部屋から出ようとしたが、晃は信じられないと言った様子で父の言葉にも視線の未反応を示し、脚はその場から動かなかった。
もっと早くにディオの事を晃に相談していたらどうなっていただろう・・・。
きっと晃にとっては聖人のように優しい兄を目の前で警察に突き出されるなんて光景を、無くす事も・・・。
この光景を見る事になったとしても、ここまで衝撃を受けなかったのかもしれない。
ずっとディオの邪悪な部分をひた隠しにしていた僕にも、彼が止まってしまった責任はあるのかもしれない。

その手を父さんが優しく握ると、困惑したように僕と一緒に父さんに寄り添って歩いた。


ジョージ「ジョジョ、後はたのむ」

ジョナサン「はい」

ディオ「すでに囲まれていたとは・・・さすがにもうお終いか。
ジョジョせめて君の手で手錠をかけてくれないか?七年の付き合いで」


僕がディオに近寄ると、ディオはイスから立ち上がり、僕に両腕を差し出した。
父に連れて行かれていた晃の足音は止まり、僕らの二人の方を向いているようだ。


ジョナサン「・・・わかった。
(正直、晃の目の前でこんな光景を見せる事は避けたかった・・・。
彼は僕らの味方だから、この状況はきっと自身の身を裂かれるようにつらいはずだっ)」

ディオ「・・・ジョジョ・・・人間ってのは能力に限界があるなぁ・・・。
俺が短い人生で学んだことは・・・。
人間は策を弄すれば弄するほど予期せぬ自体で策が崩れるってことだ!
・・・人間を越えるものにならねばな・・・」

ジョナサン「一体何のことを言っているんだ、ディオ!」

ディオ「俺は人間をやめるぞ!!ジョジョーーッ!!
俺は人間を超越する!!!」


石仮面!?なぜディオが持っている!?
腕のギプスに隠された石仮面を右手で持ち、反対の手にはナイフが握りしめられていたことが、僕に向かって振るわれた時にわかった。


SW「危ない、ジョースターさん!!」

ディオ「ジョジョ、お前の血でだーー!!!」


そのナイフは・・・晃がディオの腕を制止するためにつかんだが

その純粋なか細い腕で兄の憎悪の威力を押さえる事が出来ず

僕を庇った父の背を深く貫いた




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