『んんっ!?///はっんうっ!?』


唇を合わせて、晃の顎をつかみ自然と口を開かせると、すぐさま自分の舌を口内へと侵入させ、やわらかく温かい味覚と血の味が、二人の唾液で混ざり合う。
目の前にある可愛らしい涙を含んだ瞳に、もっと・・・もっと深くを手に入れたくなり、我も忘れて口内をこれでもかと這いまわり、味わい、犯す。


ディオ「んっ晃っっふっんうっ」


幻覚ではない・・・本物の味。本物の晃。
さっきまでの恐怖、死への実感、腕の痛みすら感じないほど、晃の口の中は甘く豊潤で、気持ちよかった。
それこそ、口意外の個所も、腕中の体も、その中心部も、味わいたい衝動が湧き出るほどに甘美なものだった。


『んっはぁっ///にーさん・・・?にーさん!?ディオに


名前を呼ばれる声のなか、俺の意識は惜しくもそこで途切れた。


ディオ「ん・・・」

『兄さん!まだ起きちゃ』

ディオ「いや、大丈夫だ・・・」

『・・・///』


見慣れない部屋で目を覚まし、体を起き上がらせるとだるさと痛みが襲ってきた。
しかし、先程のような激痛はなく、晃の腕に助けられながらも上半身をベッドから起こす。
晃の顔を見つめていると、近くにある晃の頬が見る見るうちに赤くなる事に、その高まる体温が伝わるような感覚に、またいつもの幻覚ではなく本物の晃だという実感を感じる事ができた。

久しぶりの晃との会話、昔は当たり前だったことなのに、こんな状況でも心が休まる。
しかし、恥ずかしそうに目をそらされ、もっと見ていたい、見てもらいたいという気持ちそのままに顎に手を添えて自分の方へ戻す。


『うっ///』

ディオ「何故目をそらす?」

『だ、だって・・・なんか恥ずかしいし///』

ディオ「フッ、恥ずかしい原因は、これかな?」

『・・・』

ディオ「・・・?」

『Σ!!///(ビクッ)』

ディオ「!ふはははっ」

『な、なん///』


もっと激しいキスをしているだろうに、ただのバードキスでさえこんなにも可愛らしい反応を見せる晃に、昔と何も変わっていないことに懐かしさと安堵がこみ上げる。
あの時のまま俺の元に戻ってきてくれた、何も変わらず、俺のために存在する晃のまま。


ディオ「「なんで」か?愛しているんだ、当たり前だろう?」

『あ、あい?///』

ディオ「愛してる・・・晃。ずっとお前が帰ってくると、生きていると信じていた」

『ぼ・・・僕も、愛してるよ?///』


そう言えば納得したのか、少し困ったような眉で、それでも嬉しそうに笑い、顔をまた赤らめてそう返してくれた。

あぁ、今すぐにでも押し倒してしまいたいという衝動が体を駆け巡るが、俺も負傷している。
そして、深夜とは言えこの街で殺人を行った身としてはすぐに離れたほうが何かトラブルに巻き込まれずすむだろう。
しかたない、この告白の返事は・・・屋敷のベッドでじっくり本人の体に聞き、確認するとしよう。

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