帰宅
『悪魔?』
久しぶりのジョナ兄さんの第一声がわけわかんないんですが。
え、ロンドン行ってたんだーおかえりーお土産はー?
なんて言える雰囲気で無いのはなんとなくわかります。
ジョナサン「!!!!君はっ晃っ!?」
『ただいま、ジョナ兄さん。長い間連絡が取れなくてすいませんでした
(うりー、怒られるかなー)』
ジョナサン「あぁっ本当に晃なんだね!よかったっ父さんも喜ぶ!」
ジョナ兄さんのタックル、もとい抱擁が僕を出迎えてくれた。
嬉しくなって年甲斐も無くジョナ兄さんに甘えていると、父さんに会いに行くよう勧められたので、昔の父さんの部屋に行ってみる。
部屋は間違えていないと思うんだけど、そこはもぬけの殻だった。
あっれぇ?僕のいない間に部屋変えたのかな?なんて思って部屋を出て、ジョナ兄さんにもう一度お父さんの居場所を聞きに行くためにロビーに戻った。
「俺ぁ産まれてからずっと暗黒街で生き、色んな悪党を見てきた。だから悪い人間と良い人間の区別はニオイでわかる!」
戻っている途中、おそらく初めましてなおにーさんが熱く何かをしゃべっている声が廊下にまで響いていた。
誰だろうと思いつつ、明かりがなぜかついていない薄暗い廊下の中をゆっくり進む。
「こいつはくせぇー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜぇー!!」
『Σ!!!』
こ、この台詞は!!もしや貴方はかの有名な解説王ですか!!!
おおお!原作は知らないと言ってもこの台詞は知っているぞ!いろんなところで見るからね!
そしてスピードワゴンさんは有名だから!サイン下さい!
やっぱいいや、よく解らないし扉開けてみてみたらなんか顔怖いし!
産まれついての悪がどうとか警察とか話が見えないけど、もしかして何か原作での大事な場面?
僕ここいない方がいい?まぁそんなこと気遣うつもりは無いけどね。
来ちゃったものは仕方ない。何故か問い詰められてるディオ兄さんが少し心配ではあるが。
SW「この人の顔に見覚えが、あるだろう!」
ディオ「っ・・・!!」
見るからに中国人なおじいちゃんが皆の前に突き出される。
え、誰。見おぼえないけど。おにーちゃんの知り合い?
そう言えば何故かアジアの、特に中国人も日本人もいっしょくたにされるよね。
まぁ僕もしゃべらなきゃ見分けつかないけど。
ジョナサン「ディオ、この東洋人が君に毒薬を売った証言は取ってある」
『(は?毒?)』
ジョージ「ディオ、話は全て聞いたよ・・・」
部屋の奥のカーテンからいかつい顔の警察官が数名と、探していたお父さんが現れた。
なんかミュージカルっぽいなと思ったが、よく見ると父さんの顔色が悪いように見える。
病気なのだろうか、ならば後でこっそり波紋で治してあげよう。
今?今は無理。ディオ兄さんの怪我治して、それからまだ何も食べてないからお腹減ってエネルギー不足で今にも猫になりそうなのを堪えているんです。
ジョージ「残念でならない・・・。君には息子と同じくらいの愛情と期待を込めたつもりだったが・・・」
ジョナサン「父さん、まだ安静にしていないとっ」
ジョージ「寝室へ行って休むよ・・・。息子が捕まるのを見たくは無い・・・。
晃も、来てくれ・・・こんな事になってしまったが、私は君が帰ってきてくれたことが、とても嬉しい」
『・・・(理解不能理解不能!何がどうなっている!?
僕が感づいているていで話を進めるのはやめてくれ!!
これ逆に今皆に説明を求めたら何こいつ的な空気になりそう!)』
とりあえず、体が弱っているのかうまく動けない父さんの手を支え、一緒に戻る事にしよう。
けど、なんか、嫌な予感がする。ディオ兄さんが・・・何かしたのか?