ジョージ「残念でならない・・・。君には息子と同じくらいの愛情と期待を込めたつもりだったが・・・。
寝室へ行って休むよ・・・。息子が捕まるのを見たくは無い・・・」


追い詰められた俺は、追い詰められ、ジョージ・ジョースターからも、ジョナサン・ジョースターからも情けをかけられた俺は、自ら石仮面をかぶる決意をした。
人間をやめる決意をした。
もしも、屋敷の中にいたのがジョースター親子だけだったら、他にいたとしてもスピードワゴンだけだったのであれば、それでも生身で戦う事を選んだだろう。


ディオ「・・・ジョジョ・・・人間ってのは能力に限界があるなぁ・・・。
俺が短い人生で学んだことは・・・。人間は策を弄すれば弄するほど予期せぬ自体で策が崩れるってことだ!
・・・人間を越えるものにならねばな・・・」


しかし、鉄砲を持った警官達が大勢いる状況では、他に取るべき手段などあるはずも無かった。


ジョナサン「一体何のことを言っているんだ、ディオ!」

ディオ「俺は人間をやめるぞ!!ジョジョーーッ!!
俺は人間を超越する!!!
ジョジョ、お前の血でだーー!!!」


そんなつもりはなかったのかもしれない、いや、こうなるべきだったのかもれない。
しかし、俺のそんな思いを感じたのか、止めるように俺の腕をつかむ。
人間の俺を、最後まで守ろうと腕をつかむ晃。
だが、華奢な細腕にこの憎悪が止まるはずもなく、ナイフは深く突き刺さる。

本当はジョジョの血を浴びることで人間をやめるつもりだったのだが、浴びたのはジョジョを庇った、ジョージ・ジョースターの血だった。
父は息子を庇った。針は俺の脳を押した。

ジョジョをかばうように、俺をかばうように俺の腕を握ったままの晃。
思えば、晃はこの俺とジョジョの唯一の繋がりであり、両者の関係を保つ唯一の存在であった。

もし、一年前に晃が行方不明になっていなかったら・・・
もし、晃が一緒にいたら・・・この生ぬるい世界に・・・

ジョージに駆け寄る晃に、思わず手を伸ばしそうになる。
何故・・・まるでこの世界からの誘掖を晃に求めているようじゃないか。
ちがう、俺が変えねば、俺が、晃の為に、この生ぬるい世界を変えねばッ


警官の発砲音にかき消されたはずの、懐かしい呼び名が聞こえた気がした。

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