吸血鬼
ディオは床に降りると、片腕で腰を抱えていた晃を両腕で仰向けになるように抱えなおすと、懐から石仮面を取り出し、晃の顔に被せた。
僕の脳裏にはこれから起こるであろう更なる悲劇しか思い浮かばないっ!!
ジョナサン「ま、まさか!!晃に何をする気だ!やめろディオ!!」
ディオ「何を、何をだと?この状況で、お前の脳裏に浮かんでいる事以外俺が何をしようとしていると言う!!」
ジョナサン「やめろ、晃を離せ!!晃を巻き込むなっ!!」
何か武器を持たなくてはっ!晃をディオの腕から奪い取らなくてはっ!
SW「やめろ、あんたに勝ち目はねぇ!
あんな化け物見た事ねぇッ!!あんな力を超えた力を持つ魔物はよオッ!
それに見てみろジョースターさん!ディオの腕にいるのは人間じゃあねぇ!
髪と同じ色の為に暗闇で見えなかったが、獣の耳と尾が生えてやがるっ!!」
ジョナサン「あぁ、正直僕も怖い。だがディオ!君をこの世にいさせちゃあいけない!
僕の責任だ・・・晃を救って、かたを付ける!
どんな姿だろうと、晃は僕の味方であった、晃は僕の大切な弟だっ!!
彼が晃である限り、僕は彼を見捨てはしない!!」
部屋に飾ってある甲冑が持つ鋼でできた槍をつかむ。
気付いていないわけじゃない。頭に生えた耳、そして尾!あきらかに人とは違う特徴!
だが、あれは晃だ。僕にはそんな確信があった。
事情はわからないが、おそらく昔から・・・違和感はあった。
晃はこれを隠してきたんだろう。
だけど、ずっと僕らにそのことで危害は加えてはいなかった。
人間だった事が嘘なのだとしても、ずっと、僕の事をあの小さい体で守ろうとしていた事は今でも揺らぎない真実!
SW「ジョースターさんやめろ、殺されるだけだっ」
ディオ「ほざけ!晃は俺のものだ!!貴様の前で、晃の新しい誕生を見るがいいっ!」
ディオに槍を突き刺そうと構えるも、距離があるため間に合わず、ディオは石仮面の上から口づけをすると、仮面が発光した!
しかし、先程のディオの時とは違う光もまじり、まぶしさにつぶっていた目を開けると、
晃の服が床に落ち、ディオの手元には石仮面だけが残っていた。
晃が・・・消えた!?いや、石仮面の中に何かがいるっ!あれは、黒猫!?
ディオ「くっ体力が無かったのかっ!?しかし、息はある・・・」
ジョナサン「その猫は・・・晃なのかっ」
ディオ「まぁいい、すぐにこいつらを殺し、人間に戻してから再度石仮面をかぶせれば傷も治る」
そう言うと、ディオは黒猫・・・晃を優しく椅子の上に寝かせる。
見ると、体に刺さったのか、血が流れ出ているものの、上下する体は生きている事を知らせてくれた。
脳、石仮面の骨針は、脳から人間の隠された未知の能力を引き出したに違いない
と、すると、ディオを倒す可能性は
SW「Σ!し、死体がッ!!ディオの指で殺され、精気を吸い取られた警官の死体が生き返った!!」
「ガヴォガヴォ〜あったけー血ィイイ!ヴェロヴェロォなあめたァアアアイ」
SW「わっあぁおごおっ!!」
「血ィイイ吸ったらいいだろォなァ!!」
SW「おおおぁああっ!!!」
スピードワゴンを襲っているゾンビの頭を槍でぶんなぐるっ!!
ボギバギと頭蓋骨が砕ける音、血が噴き出す臭いっ。
ジョナサン「怪物とは言え・・・つらい・・・。とうさん・・・もっと強い気持ちを、与えてください!!
(強い意志を持つ!ディオはすでに人間ではないのだからッ!魔物なのだからッ!)」
SW「あぶなぁーい!上から襲って来るッ!」
ジョナサン「これ以上ディオに殺戮を許すわけにはいかん!」
ディオに向かって槍を突き刺す!!しかし、それはディオの頭に到達する前に止められてしまった。
SW「ううッ!と・・・止めやがったッ!手に串刺して止めやがった!!
そ・・・そういえば銃で撃ったあいつの頭の傷がッ!
治癒している!不死身!完璧なる不死身ッ!」
ジョナサン「グッお、おぉおおッ(これ以上っ動かせないっ)」
ディオ「貧弱!貧弱ゥ!」
ディオが突き刺した槍をそのままその手で握りつぶし、ヘリ曲がった槍は僕の肩を押しつぶし、契られた矛先は僕の右肩に突き刺さった。
ジョナサン「うっぐぁ・・・」
ディオ「ジョ〜ジョ・・・もう少し、もう少しこの素晴らしい力を楽しませてもらうぞォ!
自分でもどこまでできるかまだ分からないからなァ・・・」
ディオがこちらを見ていない隙に晃を抱え、スピードワゴンを立たせすぐさまランタンを持ちカーテンの陰に隠れる。
晃・・・ せめて君だけでも・・・