僕らの読み通り、ディオは僕らにゾンビを差し向けてきた。
しかし、晃も一緒にいると思ったのか、僕ものとに来たゾンビはツェペリさんに教わったズームパンチにより追い返すことに成功した。

晃には、ゾンビについては詳しくは話さず、エリナの護衛を頼んでいる。
彼も波紋使いとしての僕の修行に付き合う事はある。
が、修行をするまでも無く晃の波紋は完璧だった。
ただ、以前一緒に修行した際に聞いた話では、攻撃に使うには威力がどうしても出ないらしい。
無理に波紋を強めれば一気にエネルギーを使い果たすようで、頭から出ている猫耳がとても可愛かったなぁ。


『僕の波紋ね、力がないけど、一点集中することで威力が増すんだ。
だからいつも足先に込めて。一撃で終えれるように』

ジョナサン「だから晃は少しの波紋でツェペリさんと一緒にゾンビを倒せたのか」


ツェペリさんの見解では、元々波紋の呼吸が出来ていないのに波紋が出る時点で前代未聞だが、おそらく自然の呼吸で波紋が練られる分、波紋の蓄積量はあっても、生産量が少なく、瞬間的に外部に発する波紋が練れないのだろうとのこと。

元々波紋は攻撃に向かないとあっても、まるで使いて本人を表すかのように、僕から見ても彼の波紋は淡く、儚かった。スピードワゴンには全く見えていないようだった。
そんな晃との修行を思い出しながらも、本日も修行を終え、ゾンビのことは里ら狙いように家に帰る。


ジョナサン「ただいまエリナ、あれ？」

エリナ「うふふ、お帰りなさいジョナサン。ツェペリさんとのリハビリはうまくいっているの？」


修行のことは黙っているため、エリナには・・・
いや、それよりも、僕はエリナの後ろにいる女の子に目が釘付けになってしまった。
なんだろう、とても・・・綺麗だ・・・顔が熱い。
手に汗が出てくる・・・初めてだこんな緊張したのは・・・。
まさか恋！？エリナという人がいるのに僕はなんて不埒な！だが、この鼓動の高鳴りは・・・エリナとは・・・違うのだから・・・
目線が彼女から離せられないのは、ただ単に外見だけじゃなく、そう、彼女の纏っている雰囲気が・・・そう・・・晃に・・・


ジョナサン「うん・・・エリナ、君の後ろにいる女の子は？会った事があるのかな・・・何か懐かしい」

エリナ「まぁ、懐かしい？当り前ですわ！だって彼女は・・・ふふ。
彼は貴方の弟、晃・ジョースターなのですから」

『・・・っ///』

ジョナサン「なんだって！？驚いた、晃なのかい？」


エリナがそう言うと彼女は、いや晃は赤くしていた顔を更に真っ赤に染めて困ったような顔をし、よく見れば化粧はしているものの晃の顔だ！
奥ゆかしい雰囲気と、ドレスを握りしめている綺麗な両手は女の子らしいけど指が長くて男性でもあり、これはこの恰好だからというよりは晃の元々の魅力なのだろう。
今更何故僕が晃に惹かれているのか確認できた気がする。
こういう柔らかい仕草や表情が僕を安心させてくれるんだ。


『うっ・・・///』

エリナ「ほら、やっぱり女の子にしか見えないでしょう？それにとても可愛らしいわ！
ねぇジョナサン！」

ジョナサン「あぁ！とっても、とってもかわいいよ！！本当に女の子みたいだ！
エリナの後ろにいないで、もっと良く見せておくれ！」

『うぅっ・・・嬉しくないですよジョナ兄さん・・・///』

ジョナサン「それにしても、なんでその恰好をしているんだい？」

SW「どうやら、エリナ嬢の護衛をするのと、晃の変装の為のようですぜ？
獣医の先生が晃が狙われているってんで、エリナ嬢に変な入れ知恵したようで。
晃さんにも、女として一緒にいた方がエリナ嬢に変な噂がつかないだとか言って・・・」

ジョナサン「そう言うことか・・・」


心配になって後で詳しく聞いたところ、エリナにはディオやｿﾞﾝﾋﾞの事は内緒のまま、晃にストーカーがいるということで、しばらくそいつが諦めるまで、エリナの妹としてそばに置いてほしいと言ったそうだ。
エリナも妹が欲しかったと喜んで引き受けてくれ、今日一日着せ替え人形のようになっていたのだと。

マジマジと見れば、エリナと色違いのドレスを来て、左右反対に髪飾りを付けてもらっている姿は髪の色は違ええど、本当に仲のいい姉妹のようだ。


エリナ「赤い目は前髪で隠して、こっちにはこのバラのピンを止めましょう！」

『あわわわ・・・///』

SW「いやー女の身支度なんて今まで面白いとも思いませんでしたが、なんかこうやって見ているっとても微笑ましい気分になりますね」

ジョナサン「そうだね、僕も妹が出来たみたいで嬉しいよ」

『ジョナ兄さんまで・・・もう、からかわないでくださいよ///』


エリナに髪をセットしてもらった晃が照れくさそうに笑う姿に、また顔の熱が高まった。
なぜ？さっきは初対面の人の前だから緊張したんじゃ？

晃だと・・わかっているのに・・・胸が、鼓動が早い？



・・・修行の疲れが残っているのだろうか？