ディオ「んん〜しだいしだいに力が蘇ってきた・・・。
生命を吸えば吸うほど力がみなぎるッ!
食物連鎖というのがあったな・・・。草はブタに食われ、ブタは人間に食われる。我々はその人間を糧としているわけか・・・。
人間を食料にしてこそ「真の帝王」・・・フハハハ
ジャック!この女は喰っていいぞ!」

「ウシャアーーッ!」


集めてきた女の血をあらかた吸うと、下僕にした切り裂きジャックの目の前に放り投げる。
町の若い娘を次々とこの屋敷へと持ってこさせて、生き血を吸い取る。
晃が吸血鬼になったら、どの血を飲まそうか。
不味い血はやりたくないな・・・だが、最初に口にする血が他の女と言うのも気に食わん。
そういえば、吸血鬼同士が血を吸う時はどんな味がするのだろうか。
吸血鬼にすると味は変わるのか?一度晃の血を少し味わってから吸血鬼にしてお互いの血を飲み、味比べするののもいいかもしれない。
晃にならば、俺が最初のパンになるのも、悪くは無い。


ディオ「だが、ジョースター邸の失敗は繰り返せん!事は慎重にやらなくてはな・・・。
まず扱いやすい邪悪な人間だけを下僕とし、それからこの街の人間を!そしてロンドン!一気に世界を!この世を手中におさめてやる!すべての人間の頂点に立ってやる。」


殺すも生かして下僕にするも仮面を被ったこのディオだけの特権!
日も沈み。そろそろ、町からワンチェンが帰ってくるころだろう。
あの中国人は唯一ゾンビの中で晃の顔を知っているため、ジョナサンへの奇襲と共に、晃を奪い返すように言ってある。
体が上手く動かせない間はワンチェンに俺自身の腕の代わりを務めさせていたため、すぐに晃の元に送り出す事は出来なかった。
奪い返すと言っても、きっと晃は俺の名前を出せば大人しくついてくるであろうことも伝えてある。
が、帰ってきたワンチェンは、晃どころか自身の顔に負傷をし息も絶え絶えに帰ってきた。


ワンチェン「デ、ディオ様・・・フヒー。ひ・・・必死に逃げてきたんですゥ」

ディオ「!」

ワンチェン「ジョナサンは何やら不思議な力を身につけております。
波紋とか言う我々ゾンビとは逆の力っ」

ディオ「その話しは後でゆっくり聞こう。
その前に、晃はどうした!連れて来たのか!?」

ワンチェン「そ、それが、弟様の姿はどこにも。
ジョースターのいる病院も、動物病院にも町にも、それらしい特徴の男も少年も、黒猫もおりませんっ!」

ディオ「何っ・・・。先を越されたのか・・・」


感づかれて晃を何処か遠くへ連れ去られないように、ゾンビが街で他の人間を襲うのをやめさせていたのだが、それよりも早く?
町へ出る街道や、船にもゾンビを何体か見張らせている・・・あの町から出た様子は無い。
猫の姿で獣道にでも逃れたか・・・。いや、晃の事だ、悔しいがジョナサンから離れるような事はしないだろう。


ワンチェン「おそらく、ジョナサンの近くにいたツェペリとか言う男の差し金でしょう!どこで知ったか、奴がディオ様が生きている事をジョナサンに教え、波紋の修行を付けております!」

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