その次の日、朝には三人が見当たらなかったので、また修行でもしているんだろう。
今日は動物病院休診日だし、エリナちゃんは病院で患者さんの看護に行くと言うので見送った。
さて、僕はと言うと、森の奥深くに来ていろいろな動物を呼んではディオ兄さんの情報を集めている。


小鳥「ピピピピュピュ」

『え?ジョナ兄さんたちが今朝村はずれの馬車を買ってどこかに行った?』

ネズミ「チュチュチュッチュウ」

『しかもその方向はネズの介さんの仕入れた情報によるとディオ兄さんがいるところだって!?』

鷹「クアックワッ」


どうやら、ネズの介さんが僕に教える前にジョナ兄さん達の方が早く気付いてしまったらしい。
鷹嬢ちゃんがその町まで送って行ってくれると言っている。
え、なんで動物たちが鳴き声かって?そりゃあまぁ、イメージが崩れるかなと思って。
小鳥たちがどすの利いた声でしゃべってた時の僕の驚きようと言ったら・・・。
まぁ、動物たちにも年齢と性別があるんでしょうね。


小鳥「じゃけぇ、若様もはよお追いかけた方がよかと思いましてのお」

ネズミ「その町はどうやら行方不明者が、しかも若い女が狙われているそうなのですじゃ。
この森にものぉ、ゾンビいう輩がはびこりだしてのぉ・・・。
上様もご十分にお気を付けを」

鷹「でも、もう晃様一回ゾンビ倒してるしぃ?
それよりも晃様なら負けなぃんじゃね?私の背中乗っていただけるなんて超光栄だしぃ!」

兎「何と!すでに退治なされたとはそれは誠にござりますか!親方様」

小鳥「流石は若様じゃのお!!」


こんな感じです。はい。ファンタジーやメルヘンなんてなかった!!
小鳥さんやネズミさんはこっちの言葉を理解してくれる子なら話せるので、どうしてもお年を召したかたになるのです。
実は鷹嬢ちゃんの言う通り一度夜中動物たちと町を歩いていた時に、女性に間違われてゾンビに連れ去られそうになりました。
ゾンビが黒髪の女はディオ様の元に連れてこいとのご命令だと言っていたので、こんな所で兄の好みの女性を知ることになるとは思いませんでした。
これでディオ兄さんの場所がわかるかとも思ったのですが、にゃん子たちが応戦してしまったので、ゾンビの攻撃から守るためにも波紋疾走しちゃいまして。
とはいっても僕の場合蹴りしかできないのでにゃん子たちの協力の元、何とか倒した感じですが。
ちなみに心配かけると余計一人で行動させてくれなくなるのでジョナ兄さんは勿論誰にも言ってません!


『じゃあ朝いなかったのはそのため・・・!僕を置いて行ったな!!
鷹嬢ちゃん背中乗せて!今すぐ行こう!!』

ネズミ「このわしもお供いたしますじゃ!町まで案内いたしましょうぞ!」

鷲「えーっ晃様と二人っきりがよかったのにぃ!
老いぼれ乗せるとか超なえるんですけど」

『鷹嬢ちゃん、お願い急いでほしいんだ。よし、猫の姿になろう』

鷲「ぜんぜんOkだしぃvVキャーッ!猫の晃様超可愛いーかわすきだしーvV」

兎「某の一族、人間の男児の着ものを用意つかまつった!
親方様、人間に戻る際にお使いを!これを持って行け鷹の娘よ!」

鷹「なにこれ貧乏くさーい。もっと豪華な衣装の方が晃様に似合うんですけどォ」

『いや、これで十分だよ、鷹嬢ちゃんにこれ以上負担かけられないしね』


兎丸さんが持ってきてくれたのはそこらへんで洗濯されていただろう町の住民の洋服上下一セットだった。
上着だけでも僕の体が隠れるほど大きめだが、大は小を兼るし、持っていくために縛った紐でも腰に巻けばいいだろう。
すいません、借ります。返せるかわからないけど。
僕は人間に戻ったらすぐ着れるよう、服を体に縛り付けて猫の姿になり、鷹嬢ちゃんの背中に乗った。


鷹「んじゃ、さっそく行きますよ!
しっかりつかまっててくださいね晃様ッ!!それとじじぃもな!!」

ネズミ「ふん!まだまだ若いもんには負けんわいっ!あっちじゃ鷹娘!!」


今更だが、食物連鎖的な意味でこのメンバーが集まるのって不思議な気が・・・。


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