ディオが正式な養子になり、僕の父をジョースター郷でなく、
「お父さん」と呼ぶようになって、どのくらい経っただろう・・・?
今・・・ディオとあんな会話をしていたけど、正直僕は、彼に対して友情を感じていない。

何故!?

彼はあんなに凄くて、良い奴なのにっ!

まだ、あの時の七年前の事件を疑惑し、恐怖している!

きっと僕の思い込みだ!

あんなにっ晃とも一緒に遊んでっ一緒に暮らしてきた家族なのにっ。
晃がいた時は、そんなことも考えず、ただ純粋にディオと一緒に暮らせていたのにっ
今更っ!

晃の死の知らせが屋敷に届いてから、ディオは・・・少し変わった。
いや、最愛の弟が死んだのだから、僕だって周りから見れば少し大人しくなったのかもしれない。
どう変わったのかと言われると、僕自身表現に困るのだが、晃への執着心が強くなっていた。

晃の服や部屋については、父さんも僕もそのままにしたかったから、ディオのお願いはすんなり聞き入れられ、時々、一人で部屋に入っているようだ。
唯一の遺品である帽子も、ディオが所持していて、この試合にも持ってくるほど大切にしている。
そういう僕も、ディオには内緒で晃の手紙を綺麗にとっておいて、あの時のハンカチをお守り代わりに所持しているのだから人のこと言えないけど。

念のため、あのあと警察にも頼んで救助者の中に晃らしき人物がいないか調べさせたりもした。
・・・結果はより絶望を感じるだけのものだったが。

僕は立ち直るのに時間がかかったけれど、ディオはまだ晃が生きていると信じているようだった。
僕だって、何処か、晃がまだ、まるで放し飼いの猫のように、ひょっこりと帰ってくるんじゃないかと心のどこかで思っているのだから、本当は立ち直ってなどいないのだろう。

前へ | 次へ 2/5ページ

総合ページ 8/183ページ

↓URLリンク修正すること[戻る] [HOME]