晃については、エリナばあちゃんから聞いたわけじゃなくて、こうして晃と二人っきりになった時に本人から聞いた。
理由は、他のヤツがいると晃を庇うように誤魔化すから。
昔僕は晃と必ず二人っきりになれる風呂場で、「一緒にお風呂入る時はお互い嘘をつかない」という約束をした。

猫になれるってことも皆には内緒だってことも知ったし、体は女の子でも心は男の子で、生まれた時は男の子だってことも知っている。

本当は血のつながりがない事も知っている。

だからって俺は晃の事が大好きだし、晃だって俺の事ジョセ兄さんって呼んでくれて、本当の家族なんだからそんなことはどうでもいい。

正直、出会ったすぐの時は猫でも人でも傍にいてくれる相手が見つかっただけで単純に嬉しかった。

今じゃ人間でよかったと思う。

単純な嬉しさじゃない、この、なんというか、言葉にできないぐらい
「あぁ、僕は学校から帰っても一人じゃないんだな」って思える感覚が、凄く・・・。

心は男の子って言っても、あんまりかわんないし。
(これを言ったらちょっとショックを受けてた。それも可愛かった)
エリナばあちゃんみたいに料理も歌も刺繍も綺麗で、でも僕と同じで木登りも上手くて飛行機が好きなんだ。

血のつながりは、僕はどうでもいいって思ってるけど、晃にとっては大切なことらしい。
というか、もっと正確に言うと「血」ではなく、「ジョースター」という姓にこだわりを持っているように思う。
本人はそんなことはないと言うけど、その名でよばれる時や、書類に書かれた自分の名前を見るたびに、何かを思い出して、嬉しいような寂しいような顔をしている。


ただ、俺自身にも晃に内緒にしている事がある。

小さいころから使えたこの力、電気のように光って、触った動物は普通ならあり得ない行動を起こし、水ははじけ飛び、葉っぱは磁石のように集まって来る。


晃は、体が弱いから何度も医者に見てもらっているって聞いたけど・・・。

時折見せる悲しげな顔がわからなくて、欲しいおもちゃも気分で変わる服の色も風呂に入りたいタイミングも全部解るのに、何に悲しんでいるのか、苦しいのかがずっとずっとわからない。
それでも晃に直接聞くのも、周りに聞くのも違う気がして、
僕はずっと晃の考えを理解しようと、ずっとずっと晃を守るために、
もっと一緒に・・・晃の近くにいたいと思った。

だから寝るときはぎゅって抱きしめるし、一緒にいるときは必ず手を握る。


ジョセフ「なぁ晃、今日も病院か?」

『う・・・うん』

ジョセフ「ふーん・・・(肝心なこと隠してるな)
晃の病気ってたしかさー後天的性転換だっけ?」

『うん・・・///;』

ジョセフ「それだけ?(あ、ちょっと照れてるwかわいw)」

『それだけって?;』


晃は、元々の性格が中性的なのか、女の子のように刺繍している姿も似合うし、俺といっしょに悪戯している時のズボン姿も可愛い。
いっしょにお風呂に入っているけど、さいきんちょっと晃の胸が膨らんできているが目に入って、俺もなんか恥ずかしくなってついチャラけた口調にもどっちまう。
でも繋いでる手は離さない。


ジョセフ「そーやって、俺の目からそらすときはー晃は嘘をついてないけど本当の事隠してる時なんだぜ?」

『Σなっ』

ジョセフ「お?今「するどい」って思っただろ?
俺晃の考えてる事なら何でもわかっちゃうんだよねーw」

『うぅっ・・・』


そう言えば握っている手に目線を落としていた晃は、俺の目をじっと見返してくる。
昔はそれでも服装によっては男の子に見えたけど、今は黒くフワフワな髪の毛も腰まで伸びて、どっからどう見ても可愛い俺の妹だ。
でも遊んでいる時はそこまで性別なんて感じないのに、こうやって一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝る時、なんかむずがゆいような感覚がある。


ジョセフ「なぁ晃・・・二人で風呂に入ってる時は隠し事なしって約束したろ?
にーちゃんに話せないか?」

『・・・ジョセ兄さん』

ジョセフ「じゃあ、にーちゃんから話すな」


僕はまだ何かを隠す晃に、先に僕の秘密を打ち明ける。
じゃないと、晃の事を知る事が出来ない気がして、もし晃に拒絶されても、これで晃の隠している事がわかんなくなったとしても・・・。

本当に嫌われたら、僕は息が出来なくなるかもしれないけど、心臓が止まるかもしれないけど・・・それでも晃の事を理解してあげたかった。
何故か判らないけど、理解したかった。

俺がしないといけないと思った。




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