飛行機
ジョセフ「晃っ・・・晃っ」
「この小僧ムチャクチャだ!墜落させる気かーッ!」
「誰か操縦しろ!」
「だ、だれもできねえ!」
ジョセフ「じいさん、シートで包まって飛び降りるぜ。気絶しているパイロットを抱えてくれ!
晃!!怪我をしていない腕だけでいいから僕の腰にしっかりつかまって!!
僕がちゃんと抱えてあげるからっ!!」
その後もよく解らないまま僕はシートとジョセフ兄さんの体の間に寝かされて、体をしっかりと固定され、体に襲い掛かる浮遊感からくる恐怖に我慢できず、目の前のジョセフ兄さんの胸板に怪我をしている事を忘れて両腕でしがみついた。
SW「後先考えずに無茶するやつよ!」
ジョセフ「考えているよ、少なくとも晃を第一にエリナばあちゃんとあんたの命だけは守れる範囲内で・・・。僕のたった三人の家族だもんな・・・」
衝撃はあったものの、座席がいいクッションだったおかげでそれほど怪我もなく僕らは助かった。
ハイジャック犯を乗せた飛行機は森の中に墜落し大きな爆発を起こしていた。
『ジョセフ兄さんッ大丈夫!?怪我はない!?
ジョセフ「晃・・・」
自分の体をつかってをソファーに閉じ込めてくれたんだ、下手したら飛行機の部品が落ちてきたり爆風でやけどを負ったり、落ちどころが悪毛で場自分が僕の下敷きになったかもしれないのにっ。
咄嗟の事過ぎて僕はこんな幼い彼にしがみつくことしかできなかった・・・
『ごめっごめんねっ僕なにもっ』
ジョセフ「ごめんな、腕・・・僕をかばって・・・ごめんな、痣になっちゃってるよな・・・」
『そんなっ、そんなことどうでもいいよ!!
ジョセフ兄さんの方こそっ下手したらッ
ジョセフ「「下手したら死んでいたかもしれない」のに・・・僕が殴られればよかったのに」
『ッ・・・』
ジョセフ「言わなくても解る、晃も俺と同じように思ってくれてるんだって、そう思えるだけでとっても嬉しいんだ、晃を守れて、嬉しい!」
『ジョセフ兄さんっ・・・』
ジョセフ「うん、「どういたしまして」それと、僕「も」、有難うな?」
『ッ!!うぅっ・・・。うん・・・どういたしまして』
ジョセ兄さんに言われてから僕がなにを言いたいのかが自分自身やっと理解した。
僕も彼と同じこと言って、彼も僕と同じことをしようとしたんだ、無意識に、回してた腕は、彼を放さないためだった。
僕だけでない、彼も、二人とも同じ思いだったんだと理解できた。
僕のお礼の言葉は、涙をこらえていた僕の口からは出なかったけど、彼は僕の言えなかった「ありがとう」を受け取ってくれた。
エリナからもらった服が汚れた事よりも、僕の事に対し怒ってくれたことに気付いた。
どこか心の奥にあった、ジョセフが僕に優しくするのは「エリナの居ない寂しさを紛らわすだためだけなのでは」という不安が消え去った。
この日、僕は彼をジョースター家だからとか、ジョナ兄さんに似ているからとか、僕が出来なかった懺悔から、傍にいるのではと不安な気持ちはなくなった。
また違う兄である「ジョセフ・ジョースター」と言う人物を好きになった。
この日、あのジョナ兄さんとの手紙のように、僕らはまたちゃんとした「兄弟」になった。
あの日々を・・・忘れることはできないけど・・・。
代用とか、償いではなく、彼らとはまた違う、本当に家族になれた気がした。