「Rapidamente e tornareっ・・・!?」

『(このハンカチでいいかな?)
あ、腕の怪我治すだけだから!!えっと、イタリア語分かんないよ・・・』

「Hai facendo che Cosa!!Lontano da me!」

『あ、暴れないで!大丈夫だから!!』

「Lei ・・・ non parli italiano?」

『い、いたりあーの?イタリア語?(やっぱ猫耳出したいなぁ・・・)』


僕が怪我をしている腕をつかむと鞄の中からハンカチをかみ取り出し、
傷口に当てようとすると僕の手を思いっきり振りほどかれてしまった。
それでもなんとか身振り手振りで大丈夫だと伝えると、少し大人しくなってくれた。
僕は傷口にそっとハンカチを当てるも、思いのほか出血も酷い。

初対面でしかも警戒されて言葉も通じない相手に波紋を流すのも気が引けるので、
その上から止血するようにと頭に結んでいたリボンを巻きつけて、きつく結ぶ。
綺麗にまとまっていた髪がほどけて行くが・・・、うん。
エリナにちゃんと理由を話してごめんなさいすれば許してもらえる。
その際に少しだけ波紋を流して完治とはいかないまでも傷口がふさがるぐらいには治しておこう。


『(見えなきゃ治っているのばれないよね・・・?)
これでよし!大丈夫?』

「・・・fastidioso」

『(あれ?表情が優しくなった気がする。お礼言ったのかな?)
どういたしまして?///』

「ッ///」


息切れも治ってきたので僕は膝をついて立ちあがると、彼も一緒に立ちあがって僕をじっと見ている。
彼もイタリア人なのだろうか、もう成人しているのかな?
いや、外人さんは成長が早いからたぶんまだだろう。


『(あのころのディオ兄さんに似てるから・・・たしか16,7・・・さ・・・)』








「Cosa succede?」



・・・はっとして、頭に浮かんだモノを振り払うように一歩彼から離れる。
だめじゃないか、最近やっと落ち着いてきたとおもったのに。
きっと彼のこの髪の色と、鋭い目がもう一人の兄を彷彿とさせるのだろう。
ジョセ兄さんはジョナ兄さんに似ているから、それに関しては最近克服したんだけど。


『(思い出すたびに思考停止とか洒落になんない・・・)』

「un attimo!」

『?』

「Per favore mi dica il nome!」


うーん、また彼に腕をつかまれてしまった。そして力が強いから痛い。
イタリアにいたせいではないが、ここは今は不本意ながらも女性の身として、そして同じ男性として一言言わねばな!!


『女の子には優しくしないとダメなんだよ?』

「えっ///」


どうせ今日で帰っちゃうし、逆光でよく見えないから一瞬ならいいよね?
僕は掴んでいる彼の手の上にそっと掌をおいてそう言った。

僕は猫化を発動させて耳だけ出すと同時に、僕の背中から少年の方へ風が吹きい具合に耳いを隠すように長い髪が舞いあがった。

彼の手は力が抜けたかのように離され、僕は鋭さの中に愛情を感じる目に変わった赤ではない緑色の瞳をもう一度だけ見て、その面影から逃げるように走り去った。





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