米国
俺が転校した高校を卒業した後、特に進学や就職は考えてはいなかったが、
スピードワゴンからアメリカで一緒に住まないかと言う誘いに乗って、
俺たちはジジイが用意した家に住むことになった。
エリナばあちゃんは、アメリカでもきっと教師を続けるのだろうし、晃は学校には行かないが、使用人もいるのに家事や裁縫に料理等の花嫁修業(と言うと本人も怒るし、俺も嫁に行かせる気はないが)をするのだろう。
生活自体はあまり変わらないが、ジジイもエリナばあさんや晃が近くにいた方が何かと安心できるのだろう。
実を言えば、前いた学校でも晃を一目見た男どもが家に乗りこんでくるなんて事が何回かあったし、本人が知らない所でストーカーや犯罪じみた輩もいた。
警察は事件が起きなければ動かないと言うので、そのたびにボコッていたら俺が牢屋に入れられる始末。
晃に心配かけるわけにはいかないのでただの喧嘩と言うことにしてある。
ニューヨークの新築に付いた俺達をスピードワゴンが出迎えてくれて、俺は持っていた荷物を使用人に任せて晃に案内されて座ったエリナばあちゃんの隣に座って紅茶を入れている晃の後姿を眺める。
紅茶を飲み終えたころ、晃も外の様子が気になっているようなので一緒に街に出ようと声をかける
ジョセフ「なぁ晃!さっそく街にくりださねぇか?」
『え?』
ジョセフ「荷物の整理は使用人に任せてよぉ!!いいよなエリナばあちゃん!」
エリナ「そうね、大体の家具はもう配置してあるし、服や食器は彼らに任せましょう。
その他の物は帰ってきたらちゃんと片付けるのですよ?」
ジョセフ「きまりだな!!行こうぜ晃!」
どうせ荷物の心配をするのだろうと先に釘を刺せば話はトントンと進んでいく。
『う、うん!』
ジョセフ「大丈夫、俺がちゃんと守ってやっから!俺の手を離すなよ!!」
これはちょっと怖いけど気になるって感じか。
とはいっても晃は可愛いくせに警戒心は薄いわ、スタイルいいくせにそこを恥ずかしがっている所がまた可愛いんだけど、来ている服はエリナばあちゃんセレクトだから、いくら可愛らしいデザインでも、嫌でも女らしいラインが出ていてセクシーにも見える。
でもまぁ着やせするタイプなのか風呂ではもっと大きく見えた気がするが、普段はさらしを巻いているからだろう。
うん、少しもったいない気もするが動きやすいし少しでも男払いできるならその方がいい。
鈍感で危機管理がなっていない、かわいい、くぁわゆーい妹は俺が守らなければっ!!
『・・・』
ジョセフ「ほら、この深紅のカーディガンでいいだろう?」
『!、ありがとうジョセ兄さん!』
腕を軽くさすって服の入ったカバンを目で探す晃に、先に用意しておいた服の色合いにも合いそこまで厚くない小さなレースをあしらったカーディガンを手渡すと笑顔で受け取ってくれた。
ちょっと驚いていたようだが、最近では俺がなんでも晃の事をわかっているのだと理解して着てくれたのか先読みして行動しても拒否したり遠慮したりなんてことは少なくなって俺も嬉しい。
俺が帽子を被せてもなにも驚かず自然に位置を直し、俺も帽子を被ればどちらともなく手をつないでドアを開けた。