米国
スモーキー「ハアハアハア、おいあんた、ひとつききてえ・・・。
あの警官にした事はありゃいったいなんなんだ?コーラの栓のことさ」
「・・・さぁな、子供のころから自然にできるんだ。
動物を眠らせたり、さっきとは逆に出血を止めたりな。
なんでも、若くして死んだ俺の祖父が同じ事が出来たらしいが、パイロットで戦死した父親はできなかったらしいと、エリナばあちゃんが言っていた」
スモーキー「ばあさんから聞いたのか?」
「母親も・・・俺の小さいころに事故で亡くなってんだ」
スモーキー「ご、ごめん・・・」
「いや、いいさ。いまいち生まれる前からいねぇと実感もねぇし、俺には晃がいるからな」
彼は大きな胸をなだめながら呼吸を整えている女の子を慈しむような目で見降ろし、女の子が視線に気づいて顔をあげると彼女の帽子をとって乱れている前髪を掻きあげ、長い綺麗な髪を手櫛で揃えるように撫でていた。
スモーキー「何だかしらねーねどよ、あんたは盗人で黒人の俺に対して「そのサイフはくれてやったものですよ」と言ってくれた。
あんたに借りを作っちまったな、俺の名はスモーキー、名前を聞かせておくれよ」
ジョセフ「ジョースター、ジョセフ・ジョースター。
ジョジョって呼んでくれ。こっちの可愛いのが晃・ジョースター。
エリナばあちゃんとロンドンから引っ越してきたばかりでな・・・。
まぁひとつよろしくたのむぜ!」
ジョジョが紹介した女の子を見ると、呼吸を整え終えて僕の方を見ていた。
目線が合うとニコリと笑って綺麗なお辞儀をし、その所作からいいと子のお嬢様なのだとわかった。
スモーキー「彼女は、君のガールフレンドなのかい?」
ジョセフ「いや、大事な可愛い妹だ」
スモーキー「妹?いくら可愛くて君の瞳と同じ色でも、近くで見たらどう見てもアジア系の・・・」
『・・・』
ジョセフ「「そういうことは関係ない」ってよ、血のつながりなんてものは無くても、家族にはなれる・・・だろう?」
ジョジョがそういうと、女の子は僕に微笑んでうなずき、僕に手を差し出してくれた。
薄汚れた黒人のチンピラのおいらと握手したがる女の子なんて、初めてだった。
『よろしくね、スモーキーさん?』
第一印象は優雅で可愛らしい子、次に、少し無口で人形のように綺麗な顔だが、表情が柔らかく優しい子なのだと思った。
握手をした後彼女はおもむろにバッグから高級そうなハンカチを取り出すと、消毒液の入った小瓶を取りだし液をしみこませ、僕の頭をそっと拭いてくれた。
彼女の手が光った事に驚くと、彼女もジョジョと同じ力を使えるらしく、でも彼女は回復専門なのだと言っていた。
ハンカチのお礼をすると言ったら、彼女は自分達の家に来てほしいと言った。
彼らの家に付いた俺はエリナさんに紹介され、血の付いた服を着替えるついでにシャワーを浴び、新しい服をもらい一緒に食事をした。
スモーキー「初対面の俺にこんなにまで・・・まだハンカチの例すらできていないのに」
『お礼?・・・一緒にご飯を食べて、僕もジョセ兄さんもエリナもとても楽しかった。
君のお話しは面白いし、御蔭でこの町についても知ることが出来た・・・。
だから、ありがとうスモーキー』
スモーキー「そんな!」
みなまではっきり言われなくても彼女の言いたい事がわかった。
この俺と過ごせただけで十分だと、こんな俺と一緒にいられて嬉しいと言ってくれた。
俺は三人の前で流したことのない感情の涙を流した。