そんなこんなで数日たち、あらかた荷物も整理し終え、スモーキーに案内役を頼みながらエリナやジョセ兄さんと一緒に街の中も一通り散策できてきた頃。
今日もいつも通りスモーキーに案内してもらいながらニューヨーク市内の見物へ行こうと言う事で、ジョセ兄さんにドレスを選んでもらって着替えを手伝って貰い、ついでに髪もアップでセットしてくれた。

ショッピングや観光もおわり、ブティックを出ると、先に出ていたジョセ兄さんが何やら車の運転手さんと話している。


エリナ「ジョジョ!何をしているのです?」

ジョセフ「エ・・・エリナばあちゃん」

エリナ「どうかしてジョジョ・・・?
その人になにをしているのです?」

ジョセフ「え・・・あ〜、えと・・・そのですね」

『タクシー?とめてくれたの?』


車を見ればそれはタクシーで、なるほど先に見つけて止めてくれていたんだ。
胸倉つかんでるように見えたけど、通訳無しでもとか言っていたし聞き取れなかったのかな?


ジョセフ「タクシー!そう!タクシーですよエリナおばあちゃん。
乗っけてってくれるそーです」

エリナ「おお!ジョジョ!それは気が効くわね。
スモーキーさん貴方も行きましょう」

スモーキー「おいらは助手席に行くから、晃ちゃんが先に乗りなよ」

『そう?ありがとうスモーキー!』


僕とジョセ兄さんはエリナを挟むように座って、予約していたレストランへと向かった。
その途中の車内で、ふと思い出したかのようにジョセ兄さんがエリナに質問をしてきた。


ジョセフ「なぁおばあちゃん、スピードワゴンはよお俺たちにニューヨークで生活するように引っ越して来いって言っておいてよォ、初日以外はあの老いぼれどっか旅行してるんだって!?
いい加減な奴だなあいつ、晃だって初めての国にまだ慣れてねーってのに」

『僕はジョセ兄さんがいるから大丈夫だよ?それに、ワゴンさんだっていろいろ事情があるだろうし』

ジョセフ「晃は可愛いうえに優しいなァ〜」

エリナ「石油の仕事できっと忙しいのでしょう」

ジョセフ「ふーん・・・。ねえおばあちゃん」

エリナ「ん・・・」

ジョセフ「ほんとにさあ、スピードワゴンはおじいちゃんの親友だったの?ただそれだけ?ほんとに?」

エリナ「ただそれだけとはどういう事です?」

ジョセフ「だってさあ、あのじじいは生涯独身だよ。おばあちゃんもずっと未亡人・・・。
あのじいさん、取り上げられてた雑誌には生涯一人の人物しか心にいないって言ってたんだぜ?
ほんとにそれだけの仲・な・の・か・なあ〜?
と、思ったりしてェ!」


あ・・・エリナが怒った・・;
一足先に巻き込まれない様に、僕は車の隅で当たらないように小さくなった。


ジョセフ「ひっ」

エリナ「無礼者がッ!」
ジョセフ「あだッ!」
『Σ!!』


エリナはジョセ兄さんが茶化したことに怒って、手に持っていた日傘でジョセ兄さんをバキバキに叩き始めた。
この10年でわかったけど、エリナ、意外と怒ると怖いよね・・・容赦ないと言うか;
プライドが高いと言うより、芯がしっかりしている感じで、そう言うとこも素敵だなって思う。

まぁ、僕は怒られたことないから全部ジョセ兄さんを見ていて思った事だけど。




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