悪報
「オホホホホホホ、やるってのか!にいちゃんよォ・・・」
ジョセフ「ヘイおっさん!
メリケンサックを探しているのならあんたの上着のポケットにゃあないぜ!
ズボンのうしろポケットに入っている!」
「Σギグッ!(まさか!)」
席を立ったおじさんが、上着ポケットを探し、周りのみんなも何の事を言っているのかわからない。
勿論僕も何の事だかわからない。
だけど、ジョセ兄さんはきっとこれから起こる事がわかっているんだ。
昔から、人の気持ちとか察して動くのが得意で、僕のこともよく解ってくれるから考えてる事まで全部お見通しすぎで、最初は驚きもあったけど今ではそれが当たり前で心地よくもある。
「デッ!!」
「あっ!メリケンサックがホントにズボンのポケットにあったァ」
ジョセフ「お前の次のセリフは「なんでメリケンのことわかったんだこの野郎!」という!」
「なんでメリケンのことわかったんだこの野郎!はッ!」
ジョセフ「おまえの利き腕の指の擦り剥けを見ればそれはメリケンサックをはめてケンカしたばかりのものとわかる!
そしてあんたの上着の下のシャツに付いているのは血!それも返り血!さっき人を殴ってきたばかりだな!
そして血が上着ではなくてシャツに付いているということは上着を脱いでケンカしてきたということ!
つまりメリケンサックを指からはずした時上着は着てないからズボンのポケットにしまったことは当然の結果だ!」
とは言っても、僕も何か反撃・・・というよりは防御が出来るようにと近くにあった帽子掛けをこっそり持ってきて握りしめる。
ジョセフ「次のセリフは「わかったからどうだってんだよこのクソガキが」という」
『(Σ帽子掛けがジョセ兄さんに取られた!!)』
「わかったからどうだってんだよこのクソガキがーッ!!
あたったああ!ぬがああああハーッ!!」
おじさんがめっちゃ殴ったのはジョセ兄さんが僕から取りすり替えていた帽子ラックで、飛び散った血は全部おっさん自身の手から出たものだ。
なるほど・・・よくわかんないが役には立てたようだ。
うわぁ・・・痛そう・・・。
でも同じ血でもやっぱジョセ兄さんの怪我したときの方が美味しそうな香りが、っと自重しなければ。
回りのお客さんからも拍手喝采で、あぁここの人たちみんな怖くて言いだせなかっただけだったんだね。
しかし、そのおじさんと一緒に座っていたスーツの男性が席を立つと、ジョセ兄さんは僕を背中に隠すようにし、後ろ手に手をつかんでくれた。
「いや!子分の無礼を許してください。
マダム・・・あなたはエリナ・ジョースターさんでしょう?
私はスピードワゴンさんに大変世話になってやしてね、あんたのことも以前ロンドンで教えられて知ってるんですよ。会えて良かった」
ジョセ兄さんの背中で何にも見えないけど、どうやらケンカする様子ではなさそうだ。
僕はジョセ兄さんの背中のシャツを握りつつも顔だけ出して様子をうかがう。
・・・だってマフィア怖い。
「さっき知った裏の情報でまだこの国の新聞屋とかには知られてねえんだが、
スピードワゴンさんが殺されましたぜ・・・
気が付いたら、僕はジョセ兄さんに名前を呼ばれ、強く抱きしめられていた。