エリナ「私もスピードワゴンさんから聞いた限りでしか知りませんが・・・。
石仮面をかぶり、血をその仮面に吸わせる事によって仮面から伸びた針が脳を押し、吸血鬼になる・・・と。
吸血鬼になれば、人間の血を飲む事によってどんな傷もすぐに癒え、老いることもないと」

ジョセフ「その石仮面ってのがどうしてスピードワゴンのじいさんと関係あるんだ?」

エリナ「関係があるのは、彼ではなく私たちなのです」

ジョセフ「どういう事だ?」

エリナ「石仮面は・・・私のフィアンセであるジョナサン・ジョースターの持ちモノでした」

ジョセフ「なっ?!俺のじーちゃんがっ!!」

エリナ「勿論、彼は考古学者を目指すものとして、ただの研究対処で石仮面の秘密を追っていました。
しかし、ある日その仮面を彼の兄弟であるディオが被ってしまったのです」

ジョセフ「ディ・・・オ?」

エリナ「ディオは・・・彼らの父であるジョージ一世を毒殺しようと目論んでいました。
それに気づいたジョナサンが解毒剤と共に彼の証拠を見つけ屋敷に帰って来た時に・・・。
追いつめられたディオは仮面をかぶり吸血鬼になったのです。
それから・・・彼らの戦いについては私は詳しくは知りません・・・。
ですがその戦いの際に、石仮面はスピードワゴンさんの手によって砕かれたのです」


エリナの口からあの日のことが語られる。
本当は僕が話した方がいいかもしれないけど、ワゴンさんがどういう風に伝えているかすら僕は知らなかったから。
それすらも、今まで逃げてきたのだということを責めているようだった。
いや、遅すぎた。もっと早く手を打っていたらストレイツォさんも・・・ワゴンさんも。


ジョセフ「待ってくれ、そのディオはどうなったんだ」

『っ・・・』

エリナ「彼は・・・私たちの乗った船の事故で・・・
ジョナサンと共に・・・亡くなりました」


死んだ・・・死んだ・・・死んだ。
はっきりと・・・二人の死という現実に向き合わされた。
覚悟などぶち砕かれそうになるほど、僕の頭は否定したい気持ちであふれかえっていた。
この10年近く感じていたのに・・・今更・・・二人がいない事を。
嘘のような、平和な、


ジョセフ「そうか・・・ありがとなばぁちゃん」

『エリナ、君が知っているのは・・・』

エリナ「・・・これだけです」

『そう・・・ごめんね、有難うエリナ。
今日はもう休んだ方がいい・・・行こうジョセ兄さん』


エリナの部屋を二人で出て、お休みと言って扉を閉める。
先に部屋に戻ろうと廊下を歩くジョセ兄さんの背中に、ジョナ兄さんにそっくりな背中に、




僕は覚悟を決めた。








『ジョセフ、聞いてほしい事があるんだ』

ジョセフ「晃?」

『ディオ・・・は。僕の兄なんだ』


彼女も知らない戦いの真実を
彼女が語らないその後の船内のことを

ディオの罪を
僕の罪を




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