思い出=いい予感
スッ
『恭くん!来てくれたんだ!』
襖を開ける微かな音で君が来たことがわかる。
いつもはトタトタと音がするのに着物を着るとスイッチが入ったかのように動作が美しくなる。(普段は可愛らしいって感じ)
雲雀「うん、公園でも行かない?」
群れているだろうけど、僕が行けばその群れもなくなる。つまり二人っきり。
『じゃあ、着替えるね。恭くん手伝って!』
雲雀「っ///」
嫌なわけではない。着物の着付けなら二人とも知っていたし(烈さんに教えてもらった)それに一人より二人の方が楽に着替えれる。
ただこの頃から名前を意識していた僕には刺激が強すぎた。
それでも結局は手伝うんだけど…
着替えも終わり、公園へ二人で遊びに行った。
やっぱり群れていた草食動物達は僕を見るたび逃げて行った。
名前は気付かないみたいですぐに空いたブランコへと駆けて行った。
名前となら変わりもしないこの公園もまるで遊園地のようだった。
雲雀「そろそろ暗くなってきたし、帰ろうか」
ジャングルジムの頂上で話し込んでいた僕たちは夕日が沈んでいくのを見た。
『そうだね、恭くんもうちで晩ごはん食べてきなよ』
雲雀「そうさせてもらうよ」
そう言って二人でてっぺんから飛び降りた。(近くに大人がいたら大騒ぎだろう)
『〜』
ニコニコとご機嫌で帰って行く。
育った環境だろうか。名前はまだいたいとただをこねることも泣くこともしない。
僕だけが別れを惜しんでいるかのような気がして繋いだ手に少し力を入れる。
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