19ぺーじ。
「・・・・・・・・・・・・」
縦長の器に盛り付けられたホイップをちまちまと掬って食べていたシノだったが、今は目の前の光景に圧倒され、掬ったホイップは器に落とされた。
ゾムは自他共に認める大食いである。故に目の前に並ぶ料理の数々をこれでもかというほどの速さで平らげていく。
其の様子にシノはポカン、と口をあけていた。
「ん? どうしたん?」
ふと、ゾムは自分を見つめるシノの目線に気付いて顔を上げた。
シノはそんなゾムの問い掛けに応える事も忘れて、未だにゾムの手に持たれたフォークとナイフを見つめていた。
数秒間が空いた後に、シノは言う。
「ゾム、たくさん食べる」
「ん、せやなぁ。 俺めっちゃお腹空くんよ! あ、シノも欲しいもんあったら食べてええで」
「・・・先、ぱふぇ」
シノはそう言って再びホイップを掬って一口食べた。
ただの白い泡みたいなものが、こんなにも甘くて冷たくて美味しいとは思ってもいなかったシノにとって、新鮮で喜ばしい事だった。
そしてそれと同時にシノは疑問に思った。
「ゾム、ゾム」
「おん? どうしたん?」
「・・・これから、いっぱい、ご飯、食べれる? 」
「・・・・・・勿論や!お腹いっぱいになるまで毎日食べてええんやで」
ゾムはシノの問い掛けに、ふわりと笑みを返しながらそう言った。
シノは其の言葉に、黙って、ただ頷いた。
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