21ぺーじ。


ゾムがシノを連れて訪れたのはこの国でも最大級の図書館であった。
シノはその大きさを見てわぁ、と一つ、驚嘆の声を上げた。

シノは読書が好きである。
何故ならば、彼女が今まで知り得なかった情報を知る事ができるからである。
ゾムはそんな彼女の様子を見て内心ほっとしていた。
同時に大先生への感謝の気持ちも表れたが、彼自身に伝えるつもりは毛頭無かった。

ゾムはシノの手を引いて図書館内に足を踏み入れる。実の所、ゾムはこの場所に来る事は初めてで其の構造など全く、知ったこっちゃなかった。

けれど、そんなゾムを放って、彼女は図書館内をグルリと見回した。



「ゾム、本、たくさん」



「ん? せやでー。 此処は図書館や。 この国の本から別の国の本までいっぱいあるんよ」



「ゾム、わたし、見たい」



「勿論ええよ。 迷子になったらアカンから、俺も着いていくけど」



「うん」



聞き分けの良い子で良かった、とゾムは心底安心する。
これがきっとコネシマのような能天気な性格であれば、俺の言う事など聞かず図書館内で走り周っていたことだろう。
興味津々で図書を見て周る彼女の姿は、あどけなさというより知的な雰囲気が漂っていた。

こう見ると顔つきは大人びているものだ。ゾムは密かにそう思いながら目線を下に向けた。

ただ、服装は少々子供っぽいけれど。
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