22ぺーじ。


図書館と言う事もあり、彼女が大層気に入った本を暫くの間借りる事にした。
受付の女の人はゾムが子供を連れて来ている驚きながらも手早く処理を済ませてくれて、シノは大変嬉しそうであった。

随分長い間図書館に居たようで、外に出てみればもうすっかり夕暮れ時である。
隣で三冊ほどの本を抱えるシノに、ゾムは帰ろうか、と提案した。
シノはゆっくりと其れに頷き、本を抱え直した。



「大変そうやな。 俺が持ったろか?」



「……自分、する」



シノはそう言ってぎゅ、と腕で本をしまい込んだ。
少しお節介が過ぎただろうか、とゾムは一人小さな後悔をしていた。







城に戻り、シノを部屋まで送り届け出てくるのを待つ。
ガチャリと扉が開いて、其処には本を邪魔そうに抱えるシノではなく、何時ものラフな体制な彼女が。
ゾムはそんな彼女を見て、あぁやっとだ、と思い腕を広げた。

シノはそんなゾムの様子に鋭く勘付いた。
そして彼の腕の中に飛び込むのだ。

ゾムは嬉しそうにシノを抱き上げた。



「んじゃあ、食堂行きますかー」



「ん」



素直に頷いて見せたシノに、ゾムは自然と頬が緩まってしまうのであった。
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