28ぺーじ。
其れから色々な服屋や雑貨店を廻り、城に帰ったのは午後五時過ぎ。
沢山の買い物袋をシノの部屋に置き、シノにタンスや引き出しにしまうように言ってロボロと兄さんは各自部屋へ戻っていった。
シノは言われた通り袋の中から沢山の煌びやかな服を取り出して、茶色い大きなタンスに一つずつ丁寧にしまっていく。
中には下着類もあったため、それらはタンスの一番下の段に入れた。
その他、兄さんに強請って買ってもらった日記帳やペンを机の引き出しにしまった。
全部片付け終えて、ふとシノは部屋の窓を開けた。
ふわりと吹き込んだ風がシノの長い髪を揺らした。
長い前髪が目に掛かって邪魔そうに手で退けた彼女は、眼下にある城下町を一望した。
微かに海の香りがするのを感じて、シノは微かに頬を緩めた。
シノ自身、そんな自分の変化など知る由もないのだが。
コンコンコン、と三度のノックが部屋の扉から発せられた。
シノが誰かと振り返って問えば、其れはどうやらシャオロンのようで、出てくるように言われシノは急いで窓を閉めて扉を開けた。
「シャオ」
「ん。 おかえり」
「…ただいま」
シノは、自身の頭に載せられた手に自身の手を重ねた。
温かい。
此処に来てから、彼女は確かに変わっていた。
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