30ぺーじ。


シノは何処か納得が行かないまま、戦争が始まる。
遠くで鳴り響く爆音に、シノは何も出来ずにただ管理室に篭っていた。
ロボロは管理室の大きな椅子に座って、何やら画面と手元の機械を交互に見ながら必死に指示を出している。

ふと、そんな画面を見たシノは立ち上がった。
そして管理室を足早に出て行く。傍に置いていたインカムと呼ばれる機器を耳につけて。
ロボロはそんなシノに気付いて必死に制止を促すが、彼女は止まらなかった。


「…助ける、みんな、助ける」


バタン、と閉じられた扉にロボロは冷や汗を垂らした。

シノは城内を警戒しつつ走る。
懐に隠していたナイフを持って。
此のナイフは、彼女が此処に来てグルッペンを殺そうとした際に握っていた物。
護身用にと返されたそれを、彼女は誰かの為に使いたかった。

画面に映されたのは監視カメラ映像だ。
シノが見た画面は城一階、玄関ホール。
銃や剣を持ち武装した男たちはシノには見覚えのある男たちだった。

XX国の兵士である。

即ち、敵だ。
シノは危機察知能力から瞬時に動き出した。
自分が動かなければ、城内に残っている人たちが死んでしまうかもしれない。
そう考えて。

勢いよく階段を飛んで、一階に辿り着く。
既に武装兵士たちは階段まで進んでいたようで鉢合わせした。


シノは怯まなかった。


「……殺す」


誰かを守る為にこのナイフを握れるなら、自分はどうなったって構わなかった。
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