32ぺーじ。
耳元でロボロの声がするけれど、彼女はそんなことにもお構いなしにただ眼前の敵を殺す。殺す。
ゾムも時々振り返っては、俺が居るから大丈夫、なんて言う。
シノは其の言葉を信じて、インカムを切った。
そして敵に向き直る。銃相手でも構わない。暗殺で鍛えられた足の速さと、身のこなしの軽さに加え小さな体型は相手の懐に付け入るには最適であった。
彼女は只管、自分たちを脅かす脅威を切る。切って切って、切りまくる。
そうしている内に、気がつけば遠くで鳴っていた爆音は消えていた。
最後の一人の首を掻っ切って立ち上がれば、緑色のパーカーを真っ赤にしたゾムが寄ってくる。
「シノ、何人殺った?」
「・・・・・・忘れた」
「奇遇やなぁ、俺もや」
そう言ってナイフをしまい込んだゾムはフードの下で煌びやかに、清々しく笑った。
シノもナイフを懐になおしてゾムを見上げた。
私の役目は終わり。
「ゾム」
「ん? どないしたん?」
「守れた?」
「勿論、シノは皆を守ったんやで」
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