36ぺーじ。


教授に教えられた通り、扉を三回ノックする。
中から返事がきて、シノはワゴンを押しながら部屋に入った。

総統室では、総統グルッペン、書記長トントン、外交官長オスマンが揃って書類と睨み合っていた。シノはそんな三人に大丈夫か、と声をかける。其の一声で彼らは一斉に顔を上げた。


「シノちゃん!? どうしためう?」


「おちゃ、こうちゃ、入れる」


ワゴンを三人の傍まで寄せて、彼女は其々のデスクにカップを置いた。
三人はポカンと口を開けたまま、ただシノの様子を見ている。
シノが三人分の紅茶を用意して合図を出せば、三人はふと我に返った。


「えぇ〜? もしかしてシノちゃんが入れたん?お紅茶」


「うん。 れもん、こうちゃ」


「レモンティーかぁ…ん、美味しい。 ありがとうな、シノ」


「あ〜糖分最高や……それとシノも」


グルッペンはそう言ってシノを自身の膝の上に乗せる。
シノはその行動の意味が理解できなかったが、疲れている事だけは分かったので好き放題されることにした。
そんなグルッペンとシノの様子を見てオスマンは、ずるいめう、とプリプリ怒り出すがグルッペンはそんなものお構いなしに、彼女の頬をつんつん突いたりして遊ぶ。

そんな様子を見ていたトントンはクスクス笑った。

シノがきてから、城が上手いこと回るようになった気がするなぁ。
これはシノに感謝せなならんな、なんて。
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