4ぺーじ。


ブオオオオ

聞き慣れない音と感覚に、閉じかけていた目がぱっちりと開いた。

お風呂、と言われたものを初めて体験した彼女はこれ以上無いくらいに体がポカポカしていて、今すぐにでも眠りそうなほどリラックスしていた。

彼女が目を覚ました要因はドライヤーだ。
長く綺麗な金髪は乾かすのが大変だが、総統閣下の命だと思えば苦ではないしこの様な美少女の面倒を見られるのは光栄だという気持ちで女性はいっぱいだった。

ドライヤーを掛けられるまでの記憶は曖昧で、彼女は自分の体を包むそれらにすら今気付いたばかりだった。
彼女にとって、今自身が着ている其れは高価な物だと認識している。時折あの男達の居る場所にやって来る女性らは皆してこの様な服を着ていたと、彼女はぼんやり思い出していた。成程、女性達はこの様な気持ちの良い物を身に付けていたのだと彼女は少しだけ心が痛んだ気がした。

暫くぐいぐい、ぎゅうぎゅうと髪をいじられ、女性の合図がやっと掛かった。
ふと顔を上げると、其処には金髪碧眼の、紛れもない自身が映っていて。然し何処か自身だとは思えなかった。
何故ならば、こんなにも自身の髪が美しかっただなんて初めて知ったのだから。


「さぁ、お次はお食事です。 総統閣下もお待ちしているとの事ですよ」


女性の言葉はやはり難しくて、彼女には良く分からなかったけれど。
首を少しだけ傾げつつも鏡越しにこくりと頷いて見せた。
其れを見た女性が少しだけ顔を歪めたが、驚きに満ち溢れている彼女はそんな事にも気が付かなかった。


どうやらこの少女、言葉をあまり理解していないらしい。そう気付いたのは総統閣下よりこの子を預かって直ぐだったけれども、だからと言って無知も無知だ。それに突然総統閣下がこの様な少女をお連れになるとは、何事なのかと不信感はあった。
彼女は少女について長々と思考を巡らせるのであった。
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