十八話
─違う。違う違う違う違う!!
花火の絵でも、青空でも、部活をする生徒たちでもない。どれもこれも、私の思う輝くもののそれではないと、納得できないまま、もう夏休みも終盤に差し掛かった頃。
「わ、わー!! 先輩、大丈夫ですかぁ!?」
「ッ、チーノ! 医務室今日誰かおったっけ!?」
「今日は誰も来てへんかったはず…… と、とりあえず社会部運ぼ!」
不甲斐ない。
空調の効かない教室、絵の具の匂い、窓から漂うぬるい風。そんな夏特有のもの達にあてられダウンした私はショッピくんに背負われ、この学校のどこよりも涼しい社会部の部室のソファに転がされた。
部室にいたオスマンさんが水で冷えたタオルを用意してくれて、私はしばらくお世話になることにした。
「で? 一体どうしたん?」
「最近社会部来てくれんから呼びに行こーと思って美術室覗いたら、机に突っ伏して死んでる紗絵さんがいたんで……」
「熱中症かと思ってとりあえず連れてきました。はい、ポカリっすけど」
「ありがと……」
「ふぅん、絵に熱中しすぎてダウンしたんやな」
「はっはっは! 俺もあったな、そんなこと!」
ふと今まで黙ってシャボン玉で遊んでいたグル先輩が立ち上がり机にシャボン玉液を置いてこちらに来た。
そして寝転ぶ私の目線に合わせてしゃがんで、柔らかく笑った。
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