二十話


夏の悪あがきだ。そう言って休日にも関わらず駆り出されたのは学校の最寄りから学校とは反対方向へ30分ほど歩いたところにある川辺。
ショッピくんとチーノとそこへ訪れてみると、すでに何人かが集まっていて、中でも1番にこちらに気づいたコネシマさんが大きく手を振っていた。
少しばかりの傾斜を駆け足で降りて、そちらに向かう。


「食材あったらって言われたんでお野菜だけ持ってきたんですけど…… バーベキューですか?」

「せや! もう夏休みも終わってまうし、こういうこともパーっとやろってな!」

「うわ、なんすかこの肉の塊! うまそ〜!!」

「俺が持ってきてん! 切るんはトントン!」

「ゾムさんすげぇ!」


バーベキューのセットを完了させ、仁王立ちしているグル先輩の姿も見えて思わず笑ってしまう。
そんなグル先輩の様子に何ドヤ顔で立っとんねんとつっこみを入れたのは、私の持ってきた野菜を素早く切っていくトントン先輩だ。手際が良くてびっくりだ。


「紗絵ー!! 川めっちゃ冷たいで、来てみぃや!」


シャオロンさんにそう呼ばれ手持ち無沙汰なショッピくんも連れ川の方へと足を運ぶ。ちょうどサンダルだったのでそれを適当に脱ぎ捨て足を浸すと思わず身震いするくらいに水が冷たくて気持ちいい。
ショッピくんもそんな様子に羨ましくなったのか、靴下を放ってデニムを捲り上げ隣で水に入った。


「うっわ冷たっ!」

「せやろ? ここ夏場に涼むには丁度ええねん!」

「こんな穴場があったとは……!」


パシャンと水を蹴る。その度冷気が漂ってきて日差しで焼けそうな肌を冷やしてくれる。


「おーいそろそろバーベキューやるかー!」

「お、待ってましたー!!」

「俺もう裸足でええか」

「ショッピくんもサンダルで来たら良かったね。お先っ!」

「いて、石痛いわ、先輩ちょぉ待って!」


後ろから追いかけてくるショッピくんの姿にクスクス笑いながら、ひとらん先輩に手渡された紙皿と割り箸を受け取る。同じくショッピくんもオスマンさんにそれらを貰っていた。
トントン先輩によってお皿に盛られていくお肉とお野菜はいい火加減で、とてもおいしそうだ。


「なぁトントン、俺のん野菜多ない?」

「多くないですー、ちゃんと均等に分けてますー」

「お前に取らせたら肉しかとらんからやろ」

「そーいうお前もやろ、ロボロ」

「んなこたないわ!」
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