二十四話


教室の、机が設置されていたはずの窓際の床にあったそれは確かに私のスケッチブックだった。

何故だか少し埃をかぶったそれを掃って拾い上げる。チーノが興味津々で覗いてきたので、私も何か書いてないかと思いあのページを開いた。


そこには、私が描いた思い出と、まるで飛び出てきそうなほど鮮やかな色彩たちが描かれていた。


"遊ぶのもええけど、勉強もしぃや。 兄さん"

"図書室での整理整頓、助かりました! エーミール"

"またカフェでお茶でもするめう! オスマン"

"バーベキュー、美味しかったね。またね ひとらんらん"

"校内鬼ごっこ、またやろな! ゾム"

"筋トレ怠んなよー!!じゃあな! ロボロ"

"ええか! オムライスはケチャップやぞ!! わかっとんなぁ!? コネシマ"

"お前ら、暑さに負けんと元気でやれよー! シャオロン"

"あんまり思いつめたらあかんで。ほどほどにがんばりぃや 鬱"

"楽しい時間でした。ありがとうな、お前ら。元気でな! トントン"


"チーノ。あんまり生徒の暴露は新聞に載せてやるなよ。怒られない程度にな。

ショッピ。お前のコネシマへの殺意の高さ、最高だった! その調子でガンバレ。

紗絵。もう心配いらないな。でも、熱中しすぎて2人を困らせるんじゃないぞ。

短い夏だったが、たくさんの思い出をありがとう。達者でな! グルッペン"



「……グル、先輩……ッ!」

「わ、わからんわからん! どういうごどぉ!?」

「何か、もう会えへんみたいな……」


3人でスケッチブックを囲いながら、思わず流れた涙達もそのままにそう言っていると、ふと教室の扉が開いた音がしてみんなで振り向いた。あわよくば、グル先輩たちではないかと。
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