七話


そろりそろりと扉をあけてみると、そこには昨日会った面々に加え何人か見知らぬ生徒がいた。

─結局、体験入部という形ならということで夏休みの間社会部に顔を出すことになった私。気になるからと連れてきた2人もまた、なんだか楽しそうだしと言う理由で体験入部を決めたらしく、部室にはそんな2人の姿もあった。

同性が1人もいないこともあり少し緊張しながら足を踏み入れるとそれぞれが、まるで昨日入ったやつにとは思えないくらい気さくに挨拶を投げかけてくれて、無意識に強張っていた体の力がふっと抜けた。


「おー紗絵! 進捗どうだー?」

「そんなにすぐスランプ解消しませんよ、部長さん」

「む、部長さん呼びは気に入らんな。せめてグル先輩、だな!」

「あんた後輩に対して無茶言うなや。ああ、気にするなら部長さんのままで構わへんよ。この人無茶振りばっかする人やから」

「いえ……グル、先輩?」

「! そうだそうだ、それがいい!」


何となく集められた鞄たちの中に自身のリュックも置いて、空いていた椅子に座ってみる。

今日は私とショッピくんとチーノも合わせて8人きているらしく、中でも1人は相当制服を着崩していてよく先生の指導されないなと思うほどだ。いや、もしかしたらされているかもしれない。


「そうか、そこの3人は昨日いなかったもんな。紹介しよう! 彼女はそこの2人同様体験入部中の明石紗絵さんだ!」


「女の子やん! んんっ、僕は2年の鬱。紗絵ちゃん、今度お茶でもどお? 僕ケーキが美味しい喫茶店にあたりがあるんよ」

「大先生、部員の女の子をナンパすなよ!! あ、ロボロでぇす」

「お、俺はゾム! えっと……明石、さん?」

「名前でいいですよ。なんか……みんなすでに名前なんで」

「じゃ、じゃあ紗絵! よろしくな!」


ちょっと猫背の眼鏡の彼は鬱。周りに比べて一回り背丈が小さい彼はロボロ。そして先ほどから目についてしょうがない派手な緑色のパーカーを着ている彼はゾムという。
3人の自己紹介を聞いて思ったのは、人は見かけによらないと言うことだ。ゾムさんがそう。先生に見つかれば絶対怒られそうな格好なのでもっと荒々しいイメージがあったが、正直この部内で出会った人の中では1番まともそうだ。ほっこりした。
- 8 -


preb | next

[Bookmark]

[list]

[top]