「おお。小さすぎて気づかなんだわ。俺は岩融、武蔵坊弁慶の薙刀よ!がはははは!」



なんだこのデカいの、軽く2mはありそう。
僧侶みたいな格好だけど、オレンジの髪の毛がひょこひょこと出ている。



「……初めまして、岩融さま」



「お前が新しい主だな、なんという名だ?」



「かりのな、と言っておきましょうか…ごめんなさい、真名は言えない決まりらしいのです」



「ほほう、主は幼いのに随分しっかりしているな!」



岩融さまの想像しているであろう歳は恐らく違う。



「主よ、俺は主の下に就いているのだ。様も敬語もいらんぞ」



「……わかりました、岩融」



この刀…?は体だけじゃなく、懐なんかも大きいらしい。



「さ、審神者さま!!」



「どうした…の……って、一人増えてる」



こんのすけの焦ったような声に振り向くと、私よりもう少し大きい少年のような人が刀を持って立っていた。



「……刀剣男士…?」



「……すまねぇ、俺っちは薬研藤四郎だ。あんたの霊力が大量に流れてきて具現化しちまった」



「がははは!主の神気は凄まじいな!」



「薬研藤四郎さま……もしかして貴方は私がこの部屋に入って最初に触った方ですか?」



そう、この部屋に入ってすぐに転びそうになって触れてしまった刀が一振りあったのだ。



「多分それだ」



触れてしまっただけで具現化してしまうのか…



「……恐らく薬研藤四郎が短刀だったのと、審神者さまが今まで神気を出す機会がなかったからでしょう」



「短刀は少ない神気で具現化できるんだ…」



体が大きいとエネルギーを沢山必要とするように、刀剣にも同じことが言えるらしい。



「審神者…あんたが大将でいいんだな?」



「多分そうです…」



「……なんで心配そうなんだ」



「薬研さまは岩融みたいに『目覚めよ!!』みたいな感じで具現化させてないのがとても申し訳なくてですね……」



「大将…俺っちはあんたが嫌だったら、なんとかして具現化しないようにしてたぜ」



にかっと笑った薬研さまはとても男前で、短刀とは言えど、中身は大人なのだと思った。



「あと…」



「何でしょう?」



「大将、俺のことは呼び捨てで構わないし敬語なんて止めてくれや。多分大将はこれから会う刀にもさま付けするだろうが、他の刀もあんたに仕える身だ。呼び捨てで構わないと思うが…」



「俺も同意見だ。主人にさま付けされるなんて驚くはずだ」



「それはすべての刀に確認を取ってから考えさせていただきます」



岩融や薬研さ…薬研みたいに呼び捨てで敬語もいらないなんて言う刀ばかりではないと思う。
他の刀も言われなければ敬語もさま付けもしようと思う。仕えているのは私のような気がするから。




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