薬研と岩融が私の神気で具現化してからひと月程経った。
その間に私は鶯丸、左文字三兄弟、山姥切、厚、乱、博多、鯰尾、骨喰、今剣、鶴丸、太郎、次郎、燭台切を具現化させたため、この本丸もだいぶ人が増えた。
初めての審神者ということで、刀剣男士たちも本来の予定の初期値よりも大幅に高くしてくれているらしく、戦闘や遠征も難なくこなせている。
*
「あるじさまー!!!」
「ふあぁ……い…?」
政府への報告の書類を終わらせ伸びていると、すごいスピードで走りこんできた今剣。
「今剣、どうしたの?」
「もうおやつなのでいっしょにたべようとおもったんです!」
今剣は私の事務机の空きスペースにお盆を乗せると膝の上を陣取った。
「そんなに急いで来なくてもおやつはにげないよ」
「おやつはにげなくても、あるじさまのとなりやひざのうえはすぐにとられてしまいます!」
「…そうだっけ?」
「そうですよ!それに岩融にあるじさまはむりをするからいきぬきさせてやれっていわれました」
まさかの初期刀にそんなことを言われているとは…休憩のタイミングを失って作業続けているだけで、無理してるつもりはなかったんだけど……
「審神者さま!!」
今剣とおやつの時間を楽しもうとしたところで、こんのすけがやってきた。
「……」
今剣がすごい不服そうな顔してて可愛い。
私の事情で今剣に退屈させてしまいそうだし、休憩時間伸ばそう。
「どうしたの?報告書の提出までまだ時間があると思うのだけど…」
「今日は政府からの書類を持ってきました」
「なんでわざわざ……いつもぽいって届けられてるのに」
よほど大事な書類なのだろうか。
「それがいつもの書類ではないのです。……審神者さまが現在1人なのは覚えてますね?」
「…もちろん」
「あるじさまはひとりでせかいをすくってたんですか?!」
「うーん、私は今剣たちみたいな強い刀の力を借してもらっていただけで救ってはいないと思う」
「でもあるじさまはとってもすごいおかたです!」
「……あ、ありがとう」
こんな可愛い笑顔で褒められるなんて思ってなかった。脳みそ爆発しそう。
「いい雰囲気のところ悪いんですけど、話続けても?」
「……あ、はい」
「……先日時代別に適合者がいるか一斉スキャンしたところ、そこそこ大きな能力の持ち主から弱い能力の持ち主まで、適合者が数百人見つかったんです」
「最初からそれすればよかったじゃないの」
「一応したんですけどちょっと色々ありまして…」
こんのすけの話によると、政府は始め、飛び抜けた霊力を持つもの数十人を集めるつもりだったらしい。しかし設定値を高くしすぎて当てはまる人が数人しかいなかったらしい。
…数人いたなら全員審神者にすればいい話だなのだが、私以外の人は闇側の者か、審神者に一番求められる刀に付いた付喪神を降ろす能力がない者だけだった。
「なるほど、政府は馬鹿だったのね」
「…それについては答えないでおきます。まあとにかく新しい審神者候補はかりのなさまのときの反省点を踏まえてじっくりみっちり鍛えてから審神者にするので、早ければ半年後には新しい審神者が出てきます」
「……それって、かまどの使い事がわからなくて手入れ用の鉄とか使ってキッチン作りだそうとしたりしたこと…?」
他にもエジソンの真似して本丸の竹で電球作ったり、くわに金属つけたり、池が大きいから橋掛けようとして設計図作って大量の資材とクレーン使える人頼んだりしたこと……結構怒られたりしたことあったね私
「それもそうですけど、刀剣男士に混じって…刀作って率先して敵倒しに行くなんてそんなことをしだすとは思ってなかったですよ!!」
「…だってみんなに悪いじゃないの」
「あなたがいなくなったら誰が世界救うんですか!!」
「…すいませんでした」
「…まあそういうわけで、新しい審神者が増え次第演練という新しいサービスを始めるのと、各刀剣男士たちの通常ステータスなど資料にしました」
「……うわぁ」
すごい面倒そうなのきた。別にやらなくていいか、しんどいし。
「…演練を日課ノルマに入れるので、資材や小判も出しますよ」
「あるじさま!!よかったじゃないですか!」
「…そうね」
まあ、仕方ないよねこればっかりは。
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