「赤葦君、赤葦君」
先生のいない自習時間、クラスメイトの大半は席を移動して喋ってるか寝てる。てっきり隣のみょうじさんは夢の中にいる思ってたから驚いた。
「何?」
「あのさ、今日の放課後京治君に告白しようと思うんだ」
「何言ってんの」
顔をこちらに向けたまま机に寝そべってるみょうじさんは何を言ってるのかわからない。京治なんて名前多分学校じゃ俺ぐらいしかいない、俺に告白するって相談を俺にするのか?
「赤葦君は私が京治君に告白したら成功すると思う?」
いつも通りのねむそうな声で聞いてくる。一体この人は何がしたいのか。
「わからないよ」
「赤葦君でもわからないのか、残念だな」
「みょうじさんは俺をなんだと思ってるの」
「頭が良くて、人を使うのが上手な人」
「それ褒められてるの?」
「もちろん」
このふにゃふにゃ笑う隣の人は、俺の気持ちは知らないのだろう。
「それでね赤葦君」
「はいはい」
「今日バレー部休みだって赤葦君が教えてくれたじゃん?」
「そうだっけ」
嘘、本当は好きな人との会話なんて隅々まで覚えてる。
「それでね」
「続けるんだ」
「うん、バレー部が休みなら放課後京治君をLINEで呼び出して、『京治君が好きです。部活忙しくて全然恋人らしいことできなくてもいいので付き合ってください』って告白するつもりなの」
「うんうん」
みょうじさんお願いだから日本語喋って。
「そもそも京治君、LINE通知切ってたりするかな?赤葦君知ってる?」
「通知切ってないよ」
こんなこと言われたら、通知切っててもオンにするよね。
「よかった、今暇だし早めにLINE送ろーっと」
みょうじさんがスマホを弄り始めて一分もしない内に俺のスマホがブルブル震えだした。
W今日のHRが終わったら、話したいことがあるので三棟屋上に来てくれませんか?W
返事はもちろんはい、だ。
Wわかりました。HR後待ってますW
「みょうじさん、京治君から返事きた?」
「うん、待ってますだって」
「よかったね」
「うん」
*
そして放課後、みょうじさんが急いで教室を飛び出したから、少し時間を空けて追いかけた。
「みょうじさん、ごめんまった?」
「ううん、さっき来たところ」
「それで話って…」
そして俺はさっきのあの告白の台詞をそのまま言われた。
*
「聞いてよ赤葦君」
「どうしたのみょうじさん」
「昨日の告白が成功して、私京治君と付き合う事になったの」
「おめでとう。そういえば昨日俺もなまえに告白されて付き合う事になったんだ」
「それはよかったね赤葦君」
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