珍しく入った委員会の仕事は予想以上に多かった。



おかげで最寄り駅に着く頃には日はもう沈んで、電車の窓から見える空は濃い藍色をしていた。



『まもなく××駅ー、お出口は左側です…』



そろそろ聞き飽きたいつもの車内放送。梟谷の辺りからしばらくは混んでいたが、私の最寄りまでくると流石に人は少ない。



わざわざ遠くの学校選んで「今度こそ…」なんて意気込んでたのも結局無駄だった。



それでも自分で選んだ学校だし…とかくだらないことを考えながらドア前に歩いていくと、カードみたいなサイズのものが落ちていた。



とりあえず電車を降りて駅の交番にでも届けようと思いカードを見ると、それは学生証だった。しかも梟谷高校、うちのとこじゃん。



「1年なら届けに行ってあげるかな…」



学生証に書いてある内容まじまじと見るのも良くないと思ったけど、少しだけ見させてもらった。赤葦君っていうのか、ごめんね、明日ちゃんと返しに行くから。




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