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【間幕】
「ただいまー、あれ?こー兄ちゃんは?」

元気よく扉を開けた少女は、いつもならあるはずの出迎えが無いことに首を傾げた。
幸助のバイトは、この日は休みであり、時間割からしても帰る時間は少女よりも早い。

「おかえりなさい、妃都華ちゃん。幸助ちゃんなら、今、お客さんの相手をしているわ」
「お客様?」

首を傾げた妃都華と呼ばれた少女。背中には大きなランドセルを背負っている。

「妃都華、邪魔。母さん、ただいま」

その後ろから、黒髪ですこしぼんやりした感じの男の子がぬぼっと入ってくる。

「おかえりなさい、洋介君」
「うん。で、兄さんに客ってアルファなの?」
「ちょっと、よーにい!私がお母さんと話してたのに!!」

この兄弟、アルファ同士で何故かとても仲が悪い。
いや、喧嘩するほど仲が良いとも言うのか。

「あら、洋介君よく気が付いたわねぇー」

クスクスと笑う彼女は少しうれしそうに見えて、洋介と妃都華は首を傾げた。

「だって、知らない匂いするし」
「幸助ちゃんが、すぐそこのゴミ捨て場で拾ってきたのよ」
「は?兄さんが?」「えっ!?こー兄ちゃんが!?」

洋介と妃都華は、ほぼ同時に驚き、口を開いた。
その様子に、母はただただ笑っていた。

「おいおい、どうしたんだよ、玄関で立ち止まって」

その中、後ろから少し背の大きいスーツを着たおじさまが顔を出した。

「あら、アナタ。おかえりなさい」
「ただいま、妃都美さん」

万年新婚夫婦のように、恥じらいもなく子供たちの前でただいまのちゅーとかやめてほしい。
が、玄関に立ち止まっていたことの顛末を聞いて、彼はかけていく。

「こーちゃん、パパは認めないよ!?」

バンッ、と客室の扉を開けた彼、幸助の父。その瞳に映ったのは・・・。

「・・・こーちゃんって誰?つか、誰?」

この状況何?と言わんばかりの、包帯とガーゼをした彼が自分の上で寝ている幸助を見て困惑している姿だった。

【間幕終わり】



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