2014.横澤誕
やばい、見直したら高野さん出張ってるw
アタシは楽しかったです。
誕生日の風景って、本番書くよりこういう過程書く方がアタシは楽しいです。
「羽鳥、吉川千春の作品、重版かかったぞ」
そう言って、久々に訪れたエメラルド。
今は、校了も近くないので比較的綺麗だ。
「あ、ありがとうございます」
そう言う羽鳥に、重版の書類を渡すと机に足を投げ出して座っている高野の足を叩く。
「足、下ろせ馬鹿」
「うるせぇよ、何だ?」
「販促物のデータ。まだ来てねーんだが?」
腕を組んで、高野を見下ろす横澤。高野は、ぼんやりと考えた後あっ、とカバンに手を突っ込んで一つのフロッピーディスクを取り出す。
「わりぃ、持ってくのわすれった」
「忘れてんじゃねーよ!つか、お前が忘れるなんて珍しいな。何かあったのか?」
「いや、別に何もねーよ・・・ところで横澤」
あ?と、首を傾げた横澤は、何だよ?と言うように高野を見る。
「お前、18日の夜、空いてるか?」
「は?18日・・・」
と、思考をめぐらせて、ハッとする。
「無理だ、先約が入ってる」
そう言えば、日和に早く帰ってきてね。と言われていたことを思い出した。去年は、言わずに居たせいで日和を酷く怒らせてしまった。だから、今年は素直に言うことを聞くのが得策だろうと考えた。
「少しぐらい時間取れねーのかよ?」
「無理なもんは無理だ。その日は、早く帰って来いってひよに・・・」
そこまで言ってハッと口をつぐむ。が、ばっちりと高野に聞かれてしまった。
「ふぅん?ひよ、ねぇ?」
「・・・まぁ、つまり、その無理だって事だ。だいたい、どうしたんだよ。お前から誘ってくるなんて」
珍しい、と横澤は首を傾げる。
「別に・・・、じゃあその前日は?」
「前日はかまわないが、お前が忙しいだろ?」
校了が近い為、本来なら18日も17日も忙しいだろう。
「俺の方は何とかするから良いんだよ」
「よくねーだろ。最近、ろくに寝てねーみてーだし。俺と会う暇あるなら、体調整えるのに時間使え」
それだけ言うと、じゃましたな、と言って横澤はエメラルドを出て行った。
その姿に、高野はチッ、と舌打ち一つ零した。
そして、問題の当日18日。
定時になり、一速く退社しようとした横澤の前に現れた高野。
その手の中には、不釣合いだろう熊の縫い包み・・・所謂テディベアと言う奴がいた。
「何か、用か高野」
ヒクヒクと口角が引きつるのは仕方が無い出来事といえよう。
「用が無きゃこねーよ・・・ほら」
と手渡された、それ。
横澤の顔に、青筋が増える。
「聞いても良いか?何だ、これは」
「何って、お前への誕生日プレゼント」
到って真面目ですって顔をしている高野に対し、横澤の顔にはどんどんと青筋が増えていく。
「・・・ありがたくねーけど、ありがとうよ!何でこれなんだ」
「いいじゃねーか。お前、暴れ熊なんだし」
「関係ねーだろ!!」
ところどころから、笑いが漏れるのも聞こえてますます居心地も悪くなる。
ひそひそと、今日が俺の誕生日だったと言うことも広がってしまった。
別に祝われたいわけじゃないから、広めないでくれるとありがたい、何てどこかで思う。
「横澤、迎えに来た・・・って、何それ?」
現れたのは、桐嶋さんだった。
二大編集長が揃って、営業部が騒然となる。
集まる視線。その中には、きっとサファイアに通じる奴もいるんだろうな、と横澤は肩を落とした。
「コイツからの誕生日プレゼントです」
「熊に熊やってどうするんだよ、高野」
ハハッ、と笑いながら桐嶋は言う。
余計なお世話だ!と反論するも、笑って流されてしまう。
「今日の先約って、桐嶋さんでしたか」
「先約・・・?あぁ、何?今日、横澤誘ったの?ごめんな、家の娘が横澤のこと気に入っててさ」
絶対祝うんだってきかなくて、と笑う桐嶋に高野はそうでしたか、とにこやかに返す。
何だかんだとこの二人、にこやかだけど火花が散っているようにも見える。
間に挟まれた横澤といえば、誕生日なのにほんの少しだけ胃が痛かった・・・。
End
とまぁ、そんなこんなで横澤さんおめでとう!!!
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