我慢できなかった。


9巻に横澤さんが出ていなかったことに、思うところが有ってお母さん性を発揮して貰った!!

短いよ。





「おい、羽鳥はいる・・・か?」


ぐちゃぁ、としたエメ編を覗き、横澤は一瞬言葉を失いかけた。


「えっと、はい。何ですか?」


紙の山が崩れたかと思うと、羽鳥が顔を出す。

その声にハッとして、横澤は忘れかけた用事を思い出す。


「あぁ、印刷所から電話あってな。こっちに繋がらないからって、営業に回されたんだが。吉川千春先生の今月の作品、1ページ足りないみたいだ」


瞬間、羽鳥の顔に青筋が浮いたことがわかった。


「すみません、お手数かけました。確認しだい、こちらから印刷所のほうにお電話しますので」


そう言うや否や、羽鳥は携帯を持ち出して“吉野!!”と電話をかけていた。


「で?この状況は一体なんだ?」


横澤が、腕を組んで見下ろす。いや、見下す。


「しかたねぇだろ、引越し前日まで俺達は仕事だったんだよ!」

「普段使わないものをちょくちょく片付けて、箱に入れて何入れたか書いとけば良かったろ」

「んな暇どこに有ったよ!!」

「やるやら無い、そんな掛け論じゃなくて、やれってんだよ」


ちなみに、エメラルドが全部箱を開け終えた頃、横澤たち営業のスペースは既に出来上がっていた。


「そんなこと言うなら、横澤さんが手伝ってくれても良いじゃないですか!!」


ブチッと切れた小野寺が横澤に詰め寄る。


「はぁ?何で俺が・・・」

「小野寺、それ名案だ」


ポンッ、と手を叩いて、ナイス、と言った感じの高野に横澤は、はぁ!?と眉を寄せた。


「何言ってんだお前」

「良いだろ、別に。営業はもう終わってんだろ?」


だからって、と言おうとして木佐や美濃を振り返ると、ニッコリとしながらお願い、と言うようにすがり付いてくるではないか。

頼りの羽鳥は今しがた自分が用事を伝え、出て行ってしまった。

はぁ、とため息を吐くと、羽鳥が戻るまでだからな、と足元に有ったダンボールに手を付け始める。


そして、羽鳥が戻ってきた頃・・・。


「あれ?横澤さん?」

「あぁ、羽鳥か・・・、俺はじゃあ戻るからな」


横澤はそう言うと、空いたダンボールをつぶし、つぶしてあるダンボールの山の上に重ねて出て行く。


「・・・片付きましたね」

「あぁ、横澤が居たからな」

「横澤さんって、見た目に寄らず器用だよねぇ」


早々時間も空けていなかったはずだが、こんなにも片付けるものかと羽鳥は感心した。

何しろ、あれだけのダンボールが、僅か数個にまで減っている。


「これ、後はお前のだからな」


と残された数個のダンボールを指される。

中を覗いてみると、バラバラに入っていたものが、きちっと整理されて収まっている。


「・・・横澤さんは・・・」

「言うな、それを言ったら売れなくなるぞ」


高野にそう言われて、羽鳥は口を閉ざしたそうな。



End


きっと、高野さんと横澤さんがいたらあっという間に片付く気がするんだ。

高野さんも横澤さんも器用だし。



- 41 -


[*前] | [次#]
ページ:

戻る
main