たとえばこんな現実逃避
関西弁は解かりません。雰囲気?で書いてます。間違っていると思います。
花宮は、とりあえず雰囲気で書いてます。別人です。
そして、花宮視点を書かないとどうしてそうなった?になりそうだ。
とりあえず、ココまで!!
―――――先輩。さようなら
その一言を、打ち込むだけで
どれだけの、時間がかかっただろう?
涙で、曇って見えなくなる画面。
ぽた、ぽた、と滴るしずく。
別れが、来ることなんて知らなかった。
何も知らないで、隣で笑っていた頃に戻りたい。
けど、それはもう出来ないから。
俺は、今先輩に別れを告げるメールを送る。
震える親指で押した送信ボタン。
“送信が完了しました”
その画面を見て、ため息を吐いてポケットにしまった。
『今まで、ありがとうございました。幸せになってください、別れましょう先輩。さようなら』
携帯が激しく震えて、着信を知らせる。
けれど、出る気にはなれなくて、放置。
公園のブランコに座っていると、空からぽつり、ぽつりと涙に比例するように雨が降って来る。
自嘲しながら、流れる涙を止めようともせず、ぼんやりと空を見上げる。
「何してやがる、お前」
ブランコに座り、幾分か低くなった視界に、かぶさってきた顔。
「・・・だれ?」
ぼんやりしたまま、そう告げると、彼は眉間に皺を寄せた。
「・・・霧崎第一にいた、花宮つったらわかんのか?」
花宮の言葉に、目を見開く。
誰だかわかったが、何も言わないその様子に、花宮はチッ、と舌打ちしたあと、手を引っ張りブランコから引っ張り上げた。
「・・・なに?」
ボソッ、と呟かれた言葉に花宮は反応せず、高そうな車の助手席、革張りのシートの上に無理やり座らされてシートベルトを締められた。
「何があったかなんて無理に聞かねーよ、めんどうくせぇ。だがな、うるせぇから出る気無いならそれ、電源切っとけ」
隣の運転席に乗り込んだ花宮に、頭をポコっと殴られた。
痛くは無かったけど、久しぶりにあったかいと、何故か感じてしまった。
言われた通り、ポケットから出して電源を切る。
切る前に、一瞬見えた名前に胸が苦しくなって、涙が再び溢れ出す。
けれど、花宮は様子が見えていたはずなのに何も言わず唯前を見て運転していた。
「ほら、コレで体拭け」
花宮に連れられて、着いたそこは高層マンションの一室。
花宮は、一体何の仕事をしているんだろう?と思ったが、口には出さない。
玄関で投げてよこされたタオルが、視界を奪うがそれを取り除く気も起きなくて、結局痺れを切らせた花宮が乱暴に拭いてくるまでそのままでいた。
クソ面倒くせぇ、と呟きながらも見捨てようとしない花宮を疑問に思う。放り出してしまえば楽なのに。
むしろ、こうして世話を焼く花宮などイメージに無い。悪童、と呼ばれていた面影など殆ど見当たらない。
「風呂、沸かしたから入って来い。まさか、風呂まで俺に入れろとか言わねぇだろーな?」
怪訝そうな顔をした花宮に押し込められたバスルーム。流石に、羞恥が働いて言われたとおりに脱衣所で脱いでバスルームへと足を伸ばした。
バスルームから出たとき、バスローブが置いてあって、ゴウンゴウン、と洗濯乾燥機が動いていたから自分の服はすべてそこなんだろう、と思い、素肌にバスローブを纏った。
「あがったのか、ならそこ座ってろ」
とソファーを指差され、大人しくそこに収まる。
飲め、と目の前に出されたのは香りのいいミルクティー。
「で?落ち着いたかよ」
向かいに座った花宮の言葉に頷くと、花宮はそうか。と自分用に入れたんだろうコーヒーに手をつけた。
「・・・アタシ、これからどうしたら良いッスか?」
突然の言葉に、花宮は驚くことなく、知るか、と返してきた。
「お前は、どうしたいんだ」
「アタシは・・・」
どうしたいんだろう?考えても、答えは出てこない。でも、一ついえることはある。
「・・・先輩と・・・ううん、今まで関わってきた全てと関わりたくない」
自分が、自分でなくなってしまいたい、とそう思った。
「・・・なら、俺のところに来るか?」
その言葉に、再び目を見開いて花宮を見た。
「何もかも捨てて、俺のモノになるか?」
そう言われて、咄嗟にお腹を押さえる。
「でも・・・、でも、この子だけは捨てられない・・・」
先輩との子供だから、とソファーの上で膝を抱えて涙する。
その様子を見て、花宮はにやり、と笑った。
「なら、そのガキも一緒でいい。他をすべて捨てて俺のものになれ、そうすれば守ってやるよ。黄瀬から、花宮になるか、涼華?」
「・・・なる、アタシは花宮になるッス・・・」
小さな声だったが、その目には確かな意志が宿っていた。
その後の行動は早かった。
花宮はどこかに電話をかけて、色々と手続きをしていた。
携帯も、電源を切ったまま解約して、その場で新しいものに買い換えた。
黄瀬は黄瀬で、今入っている仕事限りでモデルを止めたい、と会社に正式に辞表を提出した。
柄にも無く、二人で揃って婚姻届を提出したりと、色々有った。
それから、数ヶ月が経ったある日。
「久しぶりやなぁ、花宮」
「・・・お久しぶりですね、今吉先輩」
二人でショッピングモールに来ていたら、後ろから声を掛けられた。
とてつもなく、嫌そうな顔をした花宮が振り返ると、そこには糸目眼鏡の男性が手を上げていた。
花宮の服を引っ張り、首を傾げて見せるとあぁ、と説明してくれた。
「中学の先輩だ」
一度、そういえば桐皇とは当たって試合をしていることを思い出した黄瀬。
きっと、大き目の帽子のお陰で顔は見られていないと思うが、一応花宮の後ろに隠れながら形ばかりにお辞儀する。
「何や、デートかいな」
「はい、なので邪魔しないでくれますか?」
ニッコリと笑顔の会話なのに、何故かその雰囲気は絶対零度で、ブルッと一瞬震えてしまった。
「彼女?」
「いえ、妻です」
花宮のその言葉に、今吉は驚いて目を少し開けた。
「へぇ?お前、結婚しとったんか。知らんかったわ。わし、結婚式に呼ばれてないんやけど?」
「妻は、この通り人見知りなんで身内だけの簡素なパーティで終わらせたんですよ」
ネチネチと続きそうないやみに、花宮はそれでも笑顔で答える。
まぁ、花宮の心の中ではそうでなくとも、呼ぶつもりは無かったけどな、となっていることだろう。
「そういえば、花宮。キセキの世代の一人、黄瀬涼華はしってんな?」
「えぇ、それが?」
「お前、どこに居るかしらへん?」
ビクッ、と黄瀬の体が震える。
その様子を、花宮は感じ取りながら、それでも笑顔は絶やさない。
「知りませんね」
「ホンマに?」
糸目でにらまれるが、花宮はどこ吹く風だ。
嘘は言っていないからだ。
何しろ、花宮が知っているのは黄瀬涼華の居場所ではなく、花宮涼華の居場所なのだから。
「ほーか。なら、ええわ。何か解かったら連絡したってな。そうや、奥さんの顔、一度でええから見せてくれへん?」
そう言って、花宮の後ろに回りこんで今吉は黄瀬の顔を覗こうとしていた。黄瀬は黄瀬で花宮に抱きついて、顔を見せないように必死になっていた。
けれど、花宮は今吉に黄瀬が気づかれている事に気がついてため息をついた。
携帯を取り出して、今吉にメールを送ると、そのメールを確認した今吉が黄瀬から離れた。
「あちゃー、待ち合わせてた奴に何してんって怒られてもーたから、わしそろそろ行くわ。ほな、またな」
そう言って、今吉が去ってから暫くして黄瀬はようやく花宮から離れる。
「・・・マコト」
「帰るか?」
「うん」
沈んだ空気の黄瀬に、これ以上人ごみに居るのは良くないと判断した花宮は黄瀬を連れて帰路へと着いた。
少し、疲れただろう黄瀬は部屋に帰ると、直ぐベッドで横になってしまった。
そんな黄瀬を寝室に残して、花宮は携帯を持ってベランダへ出る。
ベランダにおいてある椅子に腰をかけて、昼間会った今吉へと電話をかけた。
『もしもし?』
「花宮です、今平気ですか?」
平気だと言った今吉に、花宮はコレまであった事を要約して伝える。
もちろん、それを伝えるためには黄瀬涼華が、自らの妻、花宮涼華であることも伝えなければならなかったが、大丈夫だと思った。
『ほう?で、ワイに話した意図は?』
「解かっているんでしょう?何せ、アナタはさとりなんですから」
『人を妖怪と一緒にせんとき』
「・・・このまま、あちら側に俺たちの情報を渡さないなら、アンタに俺たちの近状でも送ってあげますよ。あちら側の状況もこちら側の状況も知れて、全てを見知った傍観者になれるじゃないですか。どの立場が一番楽しいか考えたら、傍観者であることが一番楽しいですよね」
『ワシに、あちら側の道化師になれといっとんのか?』
「えぇ、まぁ」
得意でしょう?そう笑えば、盛大な笑い声が帰ってくる。
『まぁ、ええわ。のったる。ただし、わしはワシの自由に動くで』
「別に行動を制限するわけではありませんから、どうぞ。俺たちが、彼らと接触する機会さえ避けてくれたらそれ以外は好きになさってかまいません」
なら、わしの自由にさせて貰うわ、またな。と言って今吉との電話は切れた。
味方にすることは叶わないだろうけど、コレで敵に回すことも無くなった、と花宮は密かに笑った。
今吉さえ、抑えてしまえば後は花宮の手の上だからだ。
未完!!
とりあえず、書きたいとこだけ!!
んでもって、黄瀬にも花宮にも恋愛感情なんて無い!!←
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