高野政宗にとっての横澤隆史という存在って言うのを他人が見た感想


「小野寺・・・横澤が足りない・・・」

「はぁ!?」


当たり前のように傍にあった存在。それを否定して突き放したのは自分だというのに、このザマに笑えてくる。

高野に、言われた小野寺は何と言っていいのか微妙な顔をしてる。

また、嫉妬でもしているんだろう。そう思うが、別に小野寺が横澤に嫉妬する必要は無い。

と、高野は思っている。高野にとって、小野寺と横澤は別の人間だし、恋人と友人。その明確な違いがある。

まぁ、嫉妬されていることは嬉しいからあまり派手に否定したりしない。


「高野さん、どったの?」


ニヤニヤとした木佐が話しかけてくる。


「何かさー、アイツ、エメラルドに来なさすぎじゃね?」

「確かに、前よりは減りましたね」


前は、何かにつけて来ていたが、今は全くと言って良いほど来てはいない。

が、それほど問題も多いわけじゃないから来る用事も無いのかも知れない。


「横澤さん、どうしたんだろうねー?」


その、言葉の一つ一つにムッと成って行く小野寺。

まぁ、そこに話の種の横澤が現れたのは一驚か。


「小野寺!!お前、企画書の提出日何時だと思ってんだ!!?」

「えっ?あっ!!す、すみません!!今、やってます!!」

「おせぇ!今まで何やってたんだ!・・・ぁ?」


横澤が、不意に顔を上げると、眉をひそめた。

チッ、と舌打ちすると、横澤は羽鳥に目を向けた。


「羽鳥、今日高野の予定は?」

「えっと・・・、特に忙しい時期でもありませんし、火急の用件は在りませんよ」

「そうか、サンキュ」


それだけ言うと、横澤は高野に近寄る。


「お前、今日熱は?」

「あ?あー、測ってねぇけど?」

「医務室行って測って来い。それで熱あるなら帰れ。つか、絶対に熱あるから帰れ」


そう言われて、反抗心が湧き上がって高野は横澤を睨む。


「はぁ!?何でお前に言われなきゃいけないわけ?俺の体だ、俺が一番よく解かってるに決まってんだろ。熱なんてねーよ!」

「良いから行けって!測ってきて熱無かったら謝ってやるよ!さっさと行ってこい!!」


そう言って、蹴りだすように横澤は高野をエメラルドから追い出した。


「横澤さん、やっぱ凄いねぇ?」

「そうですね、全くいつも通りだった高野さんを見ただけで・・・」

「は?具合悪そうだったの、一目瞭然だろ?」


ぽかーん、としている横澤は珍しい。


「だいたい、変なこと口走ってたんじゃないか?アイツ、熱あるとき辺なところが気になってるからな」


そう言えば、とエメラルドの面々は思う。

朝から変な、と言うより今まで言わなかったような台詞をずっと言っていたような気がする。


「・・・そう言えば、横澤さんが足りないとか言ってました」


ムッとした顔で、小野寺は八つ当たり気味に横澤に告げる。

横澤はその言葉に首を傾げた。


「は?」

「言ってたねぇ、何、りっちゃん嫉妬?」


ニヤニヤしてくる木佐に、違います!!と小野寺は返し、席に乱暴に着く。


「小野寺、嫉妬しても仕方が無いと思うぞ」

「羽鳥まで何言ってんだお前ら」


だって、と美濃と木佐の声が揃う。


「「横澤さんは高野さんのお母さんだからね!!」」


お母さん


その言葉が、小野寺の中にストンと落ちてきて、何だか穏やかな気持ちになってきた。


「・・・テメェら、本売れなくしてやるぞ」

「そうしたら、響くのは横澤さんも一緒だからね」


ケラケラ笑う木佐。

そうしている内に、高野が帰ってくる。


「・・・羽鳥、俺今日帰るわ」

「解かりました」


チッ、と舌打ちして荷物を持つと、帰る支度をする高野。


「・・・本当に熱あったんですね」

「・・・俺は、営業帰るからな」


そう言って、高野の帰るといった言葉を聴いた横澤は営業のフロアへ戻っていった。


END


横澤さん熱が収まらない!!!



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