訳が解からないよ!
「一ちゃんと喧嘩したから、来ちゃった」
「うちは避難所じゃありません。迎え、呼んだから」
「えぇえええええええ!!?」
うちは駆け込み寺か何かか、とため息をついた。
【澤黒】訳が解らないよ!【女体化】
鉄朗が、玄関に向かい、大地はため息を軽く吐いた。
そして、にっこりとそれはもう作ってますと解るぐらいの笑顔で烏野の皆を見渡した大地。
「あそこでどうして、あの話題を出すかな?」
えっと、いやぁ、ははっ、と笑ってごまかしてみるが、大地の笑顔に、素直に謝る。
「鉄・・・、俺の嫁さんは、ああ見えて脆くてとても繊細なの」
「せんさい・・・?」
あの、ひょうひょうとした感じから、繊細さなど微塵も感じる事は出来なかった。
ここに居る、大地以外の皆が思っただろう、繊細?何処が?と。
「人は見かけじゃないってこと。あの性格だって、鉄の自己防衛だ。鉄の事、お前らは会ったばっかりで何も知らないだろ?」
だから、と大地は続ける。
「あんまり、俺の奥さんに余計なこと言わないでね」
どんな言葉で傷つくか解らないから。と、言う大地の笑顔に何度も頷き返す。
「そうだよー、それじゃ無くても女の子ってのは繊細なんだからね!」
リビングの入り口で仁王立ちして言う彼女の姿に、驚く一同。
大地は、一瞬驚いた後、頭を抱えるようにため息をついた。
「及川、うちでお前何してるの?」
何か用事?と聞く大地の言葉に、首を振る及川。
「一ちゃんと喧嘩したから、来ちゃった」
うへぺろ、と星を飛ばして言う及川に、遠い目になった大地は、徐にスマフォを取りだすとさっさと操作してしまう。
「うちは避難所じゃありません。迎え、呼んだから」
そう、告げると及川の顔は少し青くなる。
「えぇえええええええ!!?」
及川の叫びを、
「うるさい」
と一言で黙らせる大地。とりあえず、及川の座るスペースを作って、座らせる。
「及川、お前が何を勘違いしてるのか知らないけどうちは、駆け込み寺でも避難所でも、ましてや託児所でも無いんだよね」
解ってるよ、と目を泳がせて言う及川。大地は、もう一度ため息を吐くといつもの事だと、考えるのをやめた。
「そう言えば、鉄は?」
「てっちゃんなら、堅ちゃんと玄関で話してたから置いて来た」
うへぺろ、ともう一度笑った及川の頭を一度軽く叩く大地。
そんな大地に、ハッとした。
「って、大地お前、及川徹と知り合いだったのか!?」
及川はある意味、有名人だ。その持前の美貌で、ファッションモデルなど仕事をしている。
最近、某お昼なんですよっていう番組の三つ色ショッピングと言う企画に出て、その喋りの面白さとウザさが評判になっていた。
「鉄の友達だよ。それから、俺の友人の妻でもあるな」
「なにその他人行儀な紹介の仕方!」
ぷんぷんとでも怒りだしそうな及川に、事実だろうと告げる大地。
「及川って本当に結婚してたんだ・・・なんかショック」
「何それ、失礼だなぁ。俺の仕事はお洋服を皆が着たいなって思わせる事であって、皆のアイドルになる訳じゃないからね?変な幻想持たないでよ」
ファンは大切に、と言われている中、ファンにさえ毒舌を吐く及川。しかし、それが良いというある意味コアなファンばかりだ。
「って、そう言えばお前二口まで連れて来たのか!?」
「えぇ!?なんかダメだった?」
あちゃぁ、と頭を抱えた大地は、寝た子、雛実を及川に預けると、そのまま玄関に向かってしまう。
雛実は、と言うと・・・。
「ちょ、ちょちょちょっとぉおおおおおお!!!!!雛実、俺嫌いだって知ってるじゃん!!!!!」
及川に抱かれたとたんに、ぎゃん泣きしだした。
何故か、及川に抱っこされている時だけ酷く泣く雛実。何が悪いのか?考えたけれど結局解るはずもなく。
けれど、鉄朗に抱っこされている時よりも大地に抱っこされている方が安心している表情を見せる雛実。
きっと、美形が苦手、もしくは嫌いなのだろう。及川はとびっきりの美形である。
END
雛実速報→美形嫌い
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