神様パロディ


それは、好奇心の延長だった。
世界一綺麗なモノ、と言われる秘宝の一つを見なくなり、興味本位でその聖域に足を踏み入れた。
そこは、キラキラと輝いた海の中の世界で、神社のような中を進んでいく。
何故だか解からない、が黄瀬には、迷路にも思えるその中をどこに行けば良いのか、感覚的に解かった。
それを疑問にも思わずに、黄瀬はその中を進む。
すると、一つの大きな部屋に着いた。

「うわぁ、ひっろい」

と、呟きながら真っ直ぐに上座を目指す。
上座は、閉じられていて、それを黄瀬は恐る恐る捲った。

「えっ、子供?」

中は、輝かしいばかりの光を放つ子供の姿。
髪は切りそろえられた漆黒。
神事の衣装を纏ったその姿は、光り輝き、神にも等しい。

「キレー」

思わず、手を伸ばしその頬に触れた黄瀬。
すると、閉じられていた目を開いた子供が黄瀬の姿を見つけるなり、ニッコリと微笑んだ。

「おかえり、リョータ」

彼の、開かれた瞳の色は、海の青で、その色に見入っていた黄瀬。
しかし、名を呼ばれて目を見開いて驚き、ハッとして子供から距離を取った。

「なんで逃げるんだ、リョータ?」

と小首を傾げる彼に、黄瀬はつばを飲んだ。

「何で、俺の名前・・・」
「だって、お前は・・・」

そう、彼が言いかけた途端、部屋の景色が変わった。

「はーい、侵入者確保ー」

ともすれば、小さい庭の付いたような部屋に出た。そして、困惑する間もなく後ろ手に拘束される。
目の前には、彼の子供も一緒だ。

「笠松、気をつけろって言ったろ?」
「解かっている。だが、それはリョータだ」
「・・・これが?」

確かに黄色だけど・・・、と黄瀬を捕まえていた優男は困惑するような声を出す。

「魂が同じだ。リョータの魂を持ってる」
「ふーん?笠松が言うなら、そうなんだろ」

まぁ、しかし侵入者は侵入者だから、と一応黄瀬に縄をかける優男な彼。

「どうしたんですか、騒がしい」

と、顔を出した眼鏡のインテリ風の少年。

「一応笠松が迎え入れた侵入者だ」
「それって、侵入者って言うんですか?」

はぁ、とため息を吐いた眼鏡の彼。

「で、どうするんですか?半永久的にこの中に閉じ込めておくつもりですか?記憶を消して、人間界に返しますか?」
「それはダメだ。コイツは、リョータなんだから・・・コイツが、記憶を戻せば問題ないんだろう?」
「まぁ、そう言う事だけど・・・」
「ちょ、ちょっと待って!!ストップ!!!」

と、耐え切れなくなった黄瀬は叫んだ。

「行き成り、何ッスか?俺、確かにココに進入してきたってことは認めるッス。けど、記憶がどうのとか・・・意味わかんねぇっす」
「解かるように話してないからな。相変わらず馬鹿だな」
「馬鹿って・・・、ってか俺アンタと会ったの今日が初めてッスよね?それから、何ッスかリョータリョータって人のこと勝手に名前で呼んで」

勝手じゃねぇ、と笠松は言う。
それが、黄瀬には良く解からなかった。

「リョータは、お前は俺の半身だ」















神様パロディの設定??
以下ネタバレあり。

OKならスクロール!!!






笠松→海常の秘宝。生きた守り神。その実態は殆ど知られてはいない。姿は、10歳くらいの少年のよう。しかし、その実何百年と生きている。眷族に海常のスタメンと中村。神主に武内がいる。もともと、海常の神様ではなかった。しかし、とある事が原因で海常の神主と契約して海常を守っている。長い間、半身を失っていたため、狂ってきていた。海常の守り神だが、人間が好きではない。ただ、契約があるから守っているだけ。契約が切れた途端、人間を見放すほどに嫌い。
黄瀬が聖域に踏み込んだ時に、真っ先にリョータが帰ってきたと、思って画策した人。


黄瀬→帝光と言う裏集団の一人。キセキ、と呼ばれるトップクラスの実力、手腕を持つ。「世界一綺麗なモノ」と称される秘宝を興味本位で見てみたくなり、盗むつもりもなく、聖域に踏み込んだ。
実は前世が海常の海神、笠松の半身だった守護獣。とある事件がきっかけで、笠松を庇って死んだ。


海常→海上都市、故に“常に海に有る街”として海常と呼ばれるようになった。笠松と言う海神と契約することによって栄えた都市。海神は生きた秘宝と言われている。依り代は拳大のアクアマリン。それが無いと、笠松は現世に存在できない。依り代は、普段聖域の中にあり、イベントの時だけ武内によって現世に持ち出される。昔は常に現世においてあった。しかし、事件の後から聖域内で管理されるようになった。


聖域→笠松が存在する社。その中には、神主以外の人間は入ることが出来ない。
万が一、入れたとしても本当の社までたどり着くことは出来ない。また、聖域を出ることも叶わない。死ぬことは無いが、生きたまま彷徨い続ける。運がよければ出られるが、何時の時代になるかわからない。人はそれを神隠し、と呼んだ。昔はあまりこう言った仕掛けはされておらず、比較的自由に笠松に会うことが出来、笠松の実態を知る者も多かった。とある事件の後からこのように複雑化された。
黄瀬が無事についたのは、単に黄瀬の魂が人ではないから。


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