幼女審神者と長谷部くん、そしてママ


この幼女審神者さんの大倶利伽羅を傍目から見分ける方法?

簡単ですよ。えっ?幼女審神者がくっ付いてるから?
いいえ、ハズレです。

ほら、大倶利伽羅の柄を見てください。
ピンクのウサギの編みぐるみが付いているでしょう?
あれが、見分けるポイントです。

大倶利伽羅がはずしてしまえば、気が付かない?
安心してください。大倶利伽羅は主が大事なら外せませんから。


大体、そんな感じ↓GO









「ねーねー、はせべくん」
「はい、主。何でしょう?」
「みんな、いないとさみしいねぇ」

コレは、まだ本丸に刀剣男子が8人しか居なかった頃の話。
第一部隊として、大倶利伽羅を隊長に皆で長篠に出向いていた時の、本丸のひとコマ。

「そうですね。皆、居なくなると静かになりますしね」

縁側で、足をブラブラさせて庭を眺める主の横で、長谷部は正座をして座っていた。

「主殿、薬研殿が3時のおやつだとぉお!うぐぅうう、あぁあ、主殿、お放しくだされぇえええ!!」

薬研に用事を頼まれたらしいこんのすけがてくてくと歩いてくると、主はその言葉を聴いているのかいないのか、こんのすけをぎゅうっと、力の限り抱きしめた。

「さみしいね、はせべくん」
「はい、主殿」

その姿を見て、長谷部は思った。こんのすけが哀れだと。
そして、主の寂しさを何とかしたいと。しかし、主の運であれば新しい刀が増えるのはまだ先の話。どうするべきか頭を悩ませた。
ちなみに、その日の三時のおやつは、シュークリームでした。よく作れたな、薬研。

次の日、万屋に立ち寄った長谷部は、編みぐるみ、と言うものに出会う。

(これならば、主の寂しさを解消できるかもしれない!)

すぐに、編みぐるみの本と毛糸球、鍵編み棒を購入。
夜なべしてつくり、主に見せたところ・・・。

「わぁ、ありがとうはせべくん!!かわいいぶたさん!」

くまです、と言い出せずにただ苦笑いをしたが。

しかし、その主の笑顔が忘れられず、そこからどっぷりと編みぐるみの世界へと足を踏み入れた長谷部。
主の部屋には、何とも言いがたい動物の編みぐるみが多数に渡り、存在している。全て長谷部の作品である。
また編みぐるみから始まり、主の靴下や洋服の装飾などレース編みをもマスターした長谷部だ。
ちなみに、今は熊を豚と間違えられることも無くなった。

「ねー、はせべくん」
「はい、何でしょう主」
「みんなでいると、たのしいね!」

主が、長谷部の作った編みぐるみを抱きしめながら笑った。
それだけで、長谷部は満たされたように感じる。

「はい、主様」

縁側で、主と共に庭を眺めていた長谷部が、にこりと笑った。













何だろう、何ていうのかな。“コレじゃない”感が半端無い。











月に一度、有るか無いかのペースでそれは起こる。

「ままぁ・・・、どこぉ?まぁーまぁー?」

大倶利伽羅と共に眠っていたはずの主が突然、むくりと起き出し部屋を出て母親を探してさまよう。

「主、どうした?」
「ままぁ!」

ぼろぼろと泣いたまま、国広を見つけた主は駆け寄り抱きついた。
どうした、と国広が尋ねるも、主はまま、まま、と言って泣いたまま何があったか話そうとはしない。
そんな主を抱き上げて、背中をポンポンッと叩き、優しくリズム良くあやす。
すると、そんなにしない内に主は国広に抱きついたまま再び寝入ってしまう。
主の後を追いかけてきた大倶利伽羅と目線を交わした国広は、そのまま自分の部屋に戻ると主を抱えて眠った。
次の日になると、主は何も覚えていない。
ただ、何故大倶利伽羅と一緒に眠ったはずの自分が国広と一緒に寝ているのかと不思議に首を傾げているくらいだ。











主が何故、初期刀に山姥切国広を選んだのか。それは、とても単純なものだった。

「この五振りの中からお好きな刀を一つお選びください」

そう言われて差し出された打刀五振り。その中から、主は迷うことなく山姥切国広を選んで握った。

「・・・何故、その一振りにしたのかお聞きしても?」
「ままの、においがする」

だから、と主は笑った。本丸で主に握られた刀は、間もなくその姿を現した。

「山姥ぎ「まま!」り!?まま、とは何だ!?」

襤褸の布を纏った山姥切国広が現われ、自己紹介をする暇も無く主が飛びついた。

「まま、あのね、あのね」
「だから、その“まま”とは何だ!?」

あのね、あのね、と言い募ろうとする主を国広は引き剥がし、説明をこんのすけに求めた。

「現世で言う、母親の事で御座います」
「母親、だと・・・?俺は、男だ」

写しだからなのか・・・?
そう、呟く国広に主はキョトンッと首を傾げた。

「まま、うつしってなぁに?」

襤褸の布をひっぱり、国広の意識を呼ぶ。
主のためにため息を吐きながら座って国広は目線を合わせた。

「俺はお前のままじゃない。写しって言うのは、本物そっくりに作られた偽物ってことだ」
「そっくりさん?」
「そうだ。俺は山姥切の写しとして作られた。けど、俺は偽物なんかじゃない、国広の第一の傑作なんだ!」

そう、苦々しそうに言った国広。その頭を主の小さな掌が撫でる。

「まま、いたいいたい?とんでけー!」
「ままじゃないと言ってるだろ・・・」
「まま、いたい?なおった?」

何度も繰り返し、同じ動作をする主に国広は思わず笑った。

「あっまま、もういたくない?」
「あぁ、もう。痛くない」

そう言って、主の手を握って頭から離した。

「それから、俺は山姥切国広だ。お前のままではない、主」
「やま・・・?まま?」
「や ま ん ば ぎ り く に ひ ろ、だ。ほら」
「や、ま・・・、まま?」
「ままじゃない、国広、だ」
「くにひろ?」
「そう、国広」
「くにひろー!」

その声に、何だ、と問えば主はクスクスと嬉しそうに笑った。
しかし、主が完全に国広と言う呼び名に慣れるまでそれなりの時間を要した。
気が抜ければ、いつでもまま、と主は国広を呼び、国広もついそれに答えてしまうからだ。
まま、と呼ばれた国広が、本丸のお母さんになるまで、それはまだ後のお話。












今回はここでお終い。
唯単に、幼女審神者に「いたいのいたいのとんでけー」って言わせたかっただけだよ。
何だよ?大倶利伽羅も好きだが、山姥切国広も好きだぞ!あの卑屈具合がたまらない。
キャラ崩壊させたいよね!!←光忠さん風に言ってみよう。


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